「市販薬でもつらい逆流性食道炎は治療できる(前編)」では、逆流性食道炎の原因についてご説明いたしました。後編では、 逆流性食道炎 が疑われる場合、どのような成分の含まれた 市販薬 を選ぶとよいのかご紹介いたします。
市販薬を使い切っても症状が改善しない場合には、胃や食道に潰瘍や腫瘍ができている場合もありますので、念のために医療機関を受診するようにしましょう。
市販薬でもつらい逆流性食道炎は治療できる(後編)
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運動不足や姿勢も影響する
胃酸が逆流する原因としては、一般的にストレスや過食が知られていますが、それ以外にも運動不足や姿勢の影響を受けていることもあります。
食道と胃を結ぶ括約筋は筋肉で構成されており、周囲には強力な筋肉でもある横隔膜があり括約筋を助けています。そのため、運動不足により、筋肉が維持されていないと括約筋が絞まる力が弱くなってしまいます。
また、背筋を伸ばした正しい姿勢では、胃液は胃の下部に溜まります。しかし、背筋を丸めていたり、傾いた姿勢では胃酸を含む胃液は胃の下部ではなく逆流しやすい状態になってしまいます。そのため、横になったときに逆流性食道炎の症状があらわれるという方もいます。
さらに、姿勢の悪さは、身体を支えている体幹の筋肉を十分に使えていない状態であり、筋力の低下を助長させてしまうのです。
不快な症状を市販薬で解決
逆流性食道炎の主な治療方法は、薬物療法になります。最近では薬局でも購入できる逆流性食道炎を治療する市販薬が発売されています。
仕事をしているとなかなか病院にいく時間がつくれませんが、市販薬があるため気になったときに早くから治療をはじめられ、症状を改善させることができます。
逆流性食道炎を治療する薬に使用されている成分は主に2種類あり、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬、ヒスタミン受容体拮抗薬です。
胃酸の分泌が抑えられることにより、胃液は食道につながる括約筋から離れた胃の下部に留まるため、食道へ逆流しにくくなります。
その他、食道の粘膜を保護するアルギン酸塩なども使用されています。市販薬はさまざまな種類が発売されているため、自分に合うものを選んで内服するとよいでしょう。
しかし、市販薬は逆流性食道炎を治療する成分に加えて、それに伴う症状に効く成分を1つの薬に複数含むことにより、逆流性食道炎によるさまざまな症状を同時に改善させることを期待しています。そのため、病院で処方される薬よりも一回量に含まれる成分が少なくなくっています。
長期間飲んでいても症状が治らない、良くなってもすぐに再発するという場合は、薬の効きが悪かったり、症状に合っていない可能性があります。
また、逆流性食道炎ではなく、胃や食道に潰瘍や腫瘍ができることによる症状の可能性も否定できません。そのため、市販薬を使い切っても症状が改善しない場合は、念のために医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
市販薬でもつらい逆流性食道炎は治療できる(後編)
運動不足や姿勢も影響する
不快な症状を市販薬で解決