女性の体に毎月訪れる生理は女性の体の健康状態を知るバロメーターと言えます。
一般的には 月経周期 をきちんと把握することで体の調子が分かりますが、女性の体は元来デリケートなので、ちょっとしたストレスでも変化することもあるため、どの程度の周期であれば気にしなくてよいのか知っておく必要があります。
月経周期から正しく体の状態を知ろう。
正常な生理周期はどれぐらい?
正常な月経周期は25日から38日です。この範囲ぐらいであれば、ちょっとした体調やストレスから変動することがあります。
また、たとえこの範囲を逸脱してしまったとしても、普段の生理周期から6日以内であれば、おかしくはありません。ただし、そういう場合には、次の生理では周期が戻るかどうか注意しておく必要があります。
生理が止まってしまう無月経の定義は3ヶ月以上生理が止まってしまう事です。4ヶ月以上止まった場合には続発性無月経となるので病院に行くことをおすすめします。
無月経は過度なダイエットやストレスで起こる事がありますが、長い間、無月経状態が続くと生理を呼び戻す事が難しくなり不妊につながっていくので、無月経が続いた場合には治療する事が必要です。
また、正常な生理期間は3日から7日です。もし、生理が始まってから2日しか続かない場合や8日以上続く場合は病気が隠れている可能性があるため、婦人科で診察してもらう必要があります。
基礎体温の周期と合わせてわかる体の異常
生理周期が正常であっても、きちんと基礎体温が周期的に変化するかを確認しておきましょう。正常な場合には生理が始まる頃に基礎体温は下降し、その後排卵がおこるころまで低温を保ちます。やがて基礎体温があがると同時に排卵が起こり、生理まで高温期が続きます。
もし高温期と低温期の違いがはっきりせず、低温期のまま月経が始まる場合は排卵がおこらないままに出血している可能性があります。これは無排卵性周期といい、排卵がないため不妊につながるものです。婦人科へいき早めに診察を受ける必要があります。
また、高温期と低温期があっても、通常は10日ほど続く高温期が極端に短い場合は黄体機能不全という障害が考えられます。黄体期は受精した卵が胎盤に着床するための期間です。着床を促すホルモンが分泌されますが、この期間が短いということはホルモンの分泌が少なく着床が難しいことを意味しており、やはり不妊の可能性が浮上します。
月経期間の異常からわかる病気
月経周期や基礎体温の周期だけでなく、月経期間の長さからも体調や病気がわかることがあります。
もし、月経期間が2日以下である場合には、過短月経とよばれています。10代の初潮がはじまって数年や、50代の閉経直前であれば、年齢の影響であることが多いですが、それ以外の年齢では病気が隠れているかもしれません。
例えば、甲状腺の病気として知られるバセドウ病や橋本病が過短月経を引き起こすことがあります。
また子宮内膜炎による炎症が残っている場合や、子宮発育不全で10代の子宮と変わらない状態であったり、更年期障害により閉経前と同じ症状がでたりする場合にも過短月経が引き起こされることがあります。
逆に月経期間が8日以上の場合にも、子宮内膜症や子宮がん、卵巣機能障害などにより過長月経が引き起こされることがあります。この場合、出血が多い過多月経の症状も伴うことがあるので、特に両方が一緒に起きた場合にはすぐに婦人科を受診しましょう。
月経中の経血の変化
月経周期、基礎体温、月経期間と見てきましたが、経血の色の変化からも体調の変化がわかります。
経血が多い場合には、はじめは鮮やかな赤であった経血が3日目ぐらいから、暗い赤や褐色に近い赤へと変化していきます。経血が少ない人は2日目ぐらいからその変化が起きます。もしこの経血の色の変化が3日経っても起こらない場合には貧血傾向の可能性があるので注意しましょう。
まとめ
月経周期から正しく体の状態を知ろう
正常な生理周期はどれぐらい?
基礎体温の周期と合わせてわかる体の異常
月経期間の異常からわかる病気
月経中の経血の変化