月経前症候群は、月経前の3~10日頃に心や体に不快な症状があらわれ、日常生活に支障をきたす症状がある場合、鎮痛剤や安定剤を内服して症状を抑えることもあります。しかし、症状は抑えられているだけであり、副作用で胃が荒れてしまうこともあります。
しかし、 漢方 は体の内面から改善を促し、体への負担が少ないため 月経前症候群 の治療薬として注目されています。
漢方は月経前症候群を体の内面から改善させる(前編)
- 目次 -
西洋薬と東洋薬の違い
私たちの体に関わる医療には、西洋医学と東洋医学の2種類があります。
西洋医学は血液検査やレントゲンなどの情報を重視して診断し、その後の外科的治療に強く、東洋医学は主に観察によって総合的に症状の原因を見極めていくという内科的治療に強いという違いがあります。
また、最も大きな違いとして、西洋医学で処方する薬は1剤につき1つの症状を改善する強い効果がありますが、その反面さまざまな副作用があります。
東洋医学の漢方薬は体にあらわれている問題に対して何種類もの生薬を組み合わせて調整しているため、西洋薬程の即効性はないものの体の内面から効果があらわれ、多彩な症状の改善に効果があります。
漢方薬による治療法
東洋医学では、私たちの体は気・血・水の3要素から構成されており、この3要素がそれぞれ過不足なくスムーズに体の中をめぐることにより、各臓器や器官が正常に機能すると考えられています。
3要素は互いに連動しながら、体のバランスを維持しているため、体に不調があらわれたときには全体的にバランスを崩している場合が多いと考えられます。そのため、漢方薬はさまざまな生薬を組み合わせることにより、複数の異常に対して1つの漢方薬で対応することができます。
女性の体はとてもデリケートであり、生活習慣や環境、季節、天気の変化、またホルモンの影響を常に受けており、そのたびに体に何らかの不調があらわれやすくなります。これらの症状に対して、1つの処方薬で対応できる漢方薬は、女性にとって体に優しい治療法なのです。
人により、症状の程度が違ったり、薬の効果にも差があるため、西洋薬か東洋薬の漢方のどちらかに偏って治療するのではなく、症状に合わせて併用しながら治療する場合も多くあります。
まとめ
漢方は月経前症候群を体の内面から改善させる(前編)
西洋薬と東洋薬の違い
漢方薬による治療法