女性であれば毎月生理には苦しめられます。生理痛をはじめ、情緒不安定や眠いけ、だるさなど、生理に伴う様々な症状とつきあって行かなければなりません。日々の生活に支障がでるほど辛い症状であれば、それは 月経困難症 です。
いくら辛くとも、毎回のこととなると、ついつい我慢しがちですが、きちんと対処して快適に暮らせるようにしましょう。
ひどい生理痛。それは月経困難症です。
普通の生理と月経困難症は何が違うの？
月経困難症とは、通常の生理に伴う、生理痛や情緒不安定間、眠気や吐き気、おなかの張りや下痢、だるさや頭痛、疲労や食欲不振など、様々な症状が、通常の生活を続けていくのに差し障りがでるほどひどい状態を指します。
生理中というのは普段の状態とは違うため「辛いのは仕方ない」と我慢してしまう女性が多いですが、日常生活ができなくなるほど辛いのであれば、それは楽になるように対処して行かなければなりません。
無理に我慢すれば本人が辛いだけでなく、仕事や家事で支障を来すため、周囲にも迷惑をかけてしまいます。
月経困難症には大きく分けて２種類ある。
月経困難症には大きく分けて２種類存在します。１つは、機能性月経困難症というもので、病気によるものではなく、生殖器官がまだ成熟しきっていないために起こるもので、もう１つは器質性月経困難症と呼ばれる、病気が原因となっているものです。
機能性月経困難症は、生殖器官の未発達が原因であるため、初潮を迎えてすぐの女性から２０代前半までの女性に多く見られる症状です。主な原因は、子宮を収縮させるためのプロスタグラシンと呼ばれる物質が過剰に分泌されることで起きます。
子宮が収縮するのは、中に残る子宮内膜を排出するためです。そのため、若いせいで体が小さかったり、子宮内膜を溶かし血液状態に変える物質がうまく分泌されておらず塊で残っていたりするために、血液の排出が上手く行かない時に多量に分泌されてしまいます。
こういった症状は若い女性に多いので、通常、生理というものは年齢があがるにつれてマシになっていきます。
器質性月経困難症は裏に何かしらの病気が隠れている場合です。特に３０代ぐらいから多くなってきます。若い頃より生理がひどくなった、という人は要注意でしょう。隠れている病気としては、子宮内膜症や子宮筋腺症、子宮筋腫といった病気です。
生理がはじまって４日たっても、ずっと痛みを感じるケースや生理以外でも痛みを感じる時には注意が必要です。
機能性月経困難症も治療できる。
体の未発達ゆえと言われる機能性月経困難症の場合、特に病気が理由ではないのなら、治療法などないのでは、と考えるかもしれません。確かに根本的治療は体が成熟するのを待つしかないのですが、普段の生活を滞りなく送れるようにするための治療は存在します。
機能性月経困難症の場合、先に述べたように、子宮の収縮を促す物質の過剰分泌が原因になっているので、その物質の分泌を抑制する薬が、痛み止めと合わせて主に処方されます。
このような薬を的確に使用するには医師の判断が必要なので、機能性月経困難症の場合にも、我慢せずに婦人科を受診することが必要です。
治療を受けることで、毎月くる生理がマシになり、生活が随分と楽になったという声もよく聞かれます。
器質性月経困難症に多い原因。子宮内膜症。
一方、器質性の場合は機能性と違い時が経つにつれて、ひどくなっていきます。特に多いと言われているのは子宮内膜症で、これは子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまうものです。
この場合、子宮内膜はあらゆるところにできてしまう可能性があり、珍しいケースでは肺にできた、という話もあります。
他の臓器にできてしまった子宮内膜も通常の子宮内膜と同じく、生理と合わせて剥離、排出されます。この際に痛みが引き起こされるので、作られた子宮内膜の分だけ痛みが強くなってしまいます。
放っておけば、卵巣の機能障害を引き起こしたり、着床が難しくなったりと不妊に強く関わってきます。なんと、不妊症になやむ約半数の女性が子宮内膜症を持っていると言います。
この子宮内膜症は最近ではかなり効果的な薬が出てきました。それは、よく避妊薬として知られている低容量ピルです。
これは血中の女性ホルモンの量を調整する薬なので、子宮内膜の発育や卵巣の働きをコントロールする事ができるからです。ピルの服用は避妊効果だけでなく、子宮内膜症の予防として成果をあげています。
もちろん、原因となる病気は子宮内膜症に限らないので、ひどい生理痛を抱える場合には婦人科を受診する必要があります。子宮筋腫などを放っておくと、悪性化することも時にはあり、取り返しのつかない事態になることもあり得ます。
また、月経困難症を抱えているだけでは、体が未発達ゆえか、病気ゆえか素人には判断がつきません。毎月の生理が生活に支障がでるほど辛い場合には、婦人科を受診しましょう。
まとめ
ひどい生理痛。それは月経困難症です。
普通の生理と月経困難症は何が違うの？
月経困難症には大きく分けて２種類ある。
機能性月経困難症も治療できる。
器質性月経困難症に多い原因。子宮内膜症。