毎月の生理の量を気にしたことがありますか?どれくらいの出血量が正常なのか異常なのかの境目が非常にわかりにくいので、月経過多と自覚していらっしゃる方も少ないかもしれません。 月経過多 には非常に重大な病気が潜んでいることがあります。
出血の量が多いと感じたら、一度婦人科を受診することをお勧めします。
月経過多を自覚して婦人疾患の早期発見
月経の量は病気のサインに気づく絶好のチャンス
月経の量が正常か異常かは他人とは比較しづらく個人差もあるので、判断することは困難です。通常は1回の月経期間の出血量は50~100mlといわれており、140mlを超えると月経過多といわれています。異常に量が多い場合の目安となるものがいくつかあります。
ナプキンが1時間もたない、昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上ある、ドロッとしたレバーのような手のひら大のかたまりが出る、量の多い出血が8日間以上続く、鉄欠乏性貧血、月経痛、月経時の腰痛、めまい、動悸、息切れなどは月経過多の判断基準になります。
どうして月経の量が多くなるの?
月経過多の原因として、「機能性過多月経」と「器質性過多月経」のニ種類があります。「機能性過多月経」はホルモンのバランスの乱れ、「器質性過多月経」は子宮の病気があげられます。
生理のしくみを説明すると、通常一定のサイクルで排卵し、その後女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で妊娠に備えて子宮内膜を厚くします。それが妊娠しなかった場合、準備した子宮内膜が不要になり、剥がれ落ちることで生理が起こります。
しかし、排卵後の黄体ホルモンの分泌が異常になると、子宮内膜が厚くなりすぎ、生理時の出血量が増えてしまいます。これが「機能性月経過多」です。更年期に入って、ホルモンのバランスが乱れて月経過多になる場合もあります。
「器質性過多月経」は主に子宮の病気が原因です。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮体がんなどが挙げられます。特に子宮筋腫が月経過多の主な原因になっていることがあります。
子宮筋腫の中でも特に「粘膜下筋腫」というタイプが月経過多を起こしやすいといわれます。他にも高血圧症や心臓、腎臓、肝臓や甲状腺の疾患といった病気が月経過多を引き起こしている場合もあります。
原因を突き止めることが重要
まずは、月経過多になっている原因を突き止めることが先決です。原因がわかれば、その治療をすることも可能です。「機能性過多月経」が原因であれば、ホルモンのバランスの乱れを整える必要があります。
ホルモンバランスを整えるためには、ホルモン剤や排卵誘発剤、ピルといった薬物療法を行い、乱れている月経をコントロールします。ホルモン療法で、一時的に月経を止める場合や男性ホルモンを使用して出血量を抑える場合もあります。
「器質性月経過多」が原因であれば、病気を特定し、初期ならば薬物療法で治療も可能ですが、症状が進行すると子宮の部分摘出や全摘出などの外科的手術が必要になってきます。そうならないためにも、早期発見早期治療が大切です。
出血量が多く貧血がひどくなった場合は、造血剤による対処療法による治療も行われます。
該当する症状があったら、まず婦人科の受診を
月経過多は会社の健康診断等で貧血と診断され、初めて婦人科を受診する人がほとんどです。自覚しづらい病気ですが、そこには重大な病気が潜んでいることがあります。
子宮筋腫、子宮内膜症といった病気であれば、先々の不妊の原因につながる可能性もあります。
貧血と診断されて、鉄分を補充する対処療法でも改善できなかったり、月経量が増えたと感じたら、原因が何であるかを突き止めるため、早期に婦人科を受診することをお勧めします。
まとめ
月経過多を自覚して婦人疾患の早期発見
月経の量は病気のサインに気づく絶好のチャンス
どうして月経の量が多くなるの?
原因を突き止めることが重要
該当する症状があったら、まず婦人科の受診を