月経が来るか来ないかくらいの年齢に学校で生理(月経)について習った記憶はあるという人も、月経が定期的に来るようになってから「毎月くるもの」としか認識しなくなった人は多いと思います。
ここでは 月経 とは何かを再確認していきます。
月経とはなにかを再確認する
月経がとは何かを簡単に確認する
女性には子宮、卵巣といった男性にはない器官が存在します。卵巣では卵子を成熟させ、卵管を通して子宮に送ります。
子宮ではその卵子が精子と受精し、妊娠が成立するように子宮内膜を厚くして準備していますが、受精しなかったりうまく着床できなかったりしたときは不要になり、剥がれ落ちます。これを月経または生理とよびます。
月経が起きる仕組みと周期
月経には周期があります。卵子を成熟させ、子宮内膜が厚くなる“卵胞期”・排卵後、月経が来るまでの“黄体期”、そして妊娠が成立しなかった場合の“月経期”です。“月経期”だけでも3日から7日と個人差があり、月経周期全体では25日から38日周期が正常であるといわれています。
“卵胞期”には脳下垂体前葉が分泌する卵胞刺激ホルモンにより、卵巣内で卵胞細胞が卵子へと成熟していきます。この過程でエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され、子宮内では子宮内膜が厚くなっていきます。
エストロゲンの分泌が最大になると黄体化ホルモンが分泌され始め、卵胞内で成熟した卵子が卵胞内から飛び出し、卵巣から排出される“排卵”が起こります。
“黄体期”は、この残った卵胞は黄体とよばれるものに変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し始めます。プロゲステロンは体温を上昇させ、子宮内膜を柔らかく保ち、女性の体を妊娠しやすい状態に保ちます。
この期間に卵子が精子と受精し、子宮内膜に着床すれば妊娠が成立しますが、妊娠が成立しなかった場合は次の準備を始めるために、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちていきます。
“月経期”はこの不要になった子宮内膜が少量の血液とともに子宮口、膣を通って体外に排出される期間です。
不妊の可能性をはら無月経
月経があるから妊娠が出来ると安心してはいけません。
月経周期が39日以上の稀発月経は、卵巣の働きが不十分でホルモン分泌が乱れている可能性があります。きちんと排卵が行われていれば妊娠・出産に問題はないですが、無排卵の場合があるので排卵の有無、ホルモンの分泌量を調べた方が良いです。
逆に月経周期が24日以下の場合は頻発月経の可能性があります。原因は、卵巣機能の低下、ストレスによるホルモン分泌の乱れがあげられます。
特にエストロゲン分泌が不十分ですと子宮内膜が成熟しないために、妊娠しにくい、流産しやすいなどの害があるため、妊娠を希望する場合は特にホルモン分泌について検査をした方が良いです。
また、月経期間が8日以上続く過長月経も無排卵であったり、エストロゲンの分泌が不十分であったりする場合があるので注意が必要です。
経血量が異常に少ない過少月経や月経が2日で終わってしまう過少月経は子宮内膜の厚みが薄い、子宮自体の発育不全、無排卵だけでなく甲状腺機能異常が原因であることもあります。婦人科で検査をすることが大切です。ホルモン治療で良くなることもあります。
婦人科系の病気が疑われる月経
月経の経血量が増える、レバー状の塊が混ざるといういわゆる月経過多、また生理痛が酷いという場合には子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がんなどの重大な婦人科系の病気が潜んでいる場合があります。このような症状がある場合は可能な限り早く婦人科を受診してください。
ストレスと月経
最後に、女性の体はホルモンのバランスに支配されているので、ストレス状態が続くと月経にも異常をきたします。夏の暑さでバランスが乱れて1か月月経が来ないこともあるくらいです。
しかし、長期間に渡ってストレスにさらされ続け、無月経な状態が3ヶ月以上続くと不妊の原因になるなど後々後悔することもあります。神経質になりすぎてストレスを感じてしまっては元も子もありませんが、できるだけストレスをためないように日々心のケアもしていきたいものです。
まとめ
月経がとは何かを簡単に確認する
月経が起きる仕組みと周期
不妊の可能性をはらむ月経
婦人科系の病気が疑われる月経
ストレスと月経