不正出血とは、月経以外に起こる出血です。そのような出血が起こると何かの病気が原因ではないかと不安になる方も多いことでしょう。
しかし、 不正出血 は ストレス によっても引き起こされることがあり、誰でも経験する可能性がある症状ですので、正しい知識を持ち、予防に努めましょう。
不正出血はストレスでおきる??
原因を見極めましょう
不正出血が起きた場合、まず初めに原因が何であるかを見極める必要があります。
病気による不正出血の場合、原因となる病気にはポリープや子宮内膜増殖症、クラミジアの感染といったものがあり、また特に、初期には症状がない子宮がんに注意する必要があります。病気ではない不正出血には切迫流産や排卵期出血があげられます。
このような病気や、妊娠に関連する出血、排卵時期に起こる生理的な出血ではない場合は、ストレスによるホルモンバランスの乱れが疑われます。
どのような場合でも、自己判断は病気のサインを見逃しかねませんので、不正出血に気付いたら必ず婦人科を受診し原因を調べましょう。
ストレスが不正出血を引き起こす仕組み
それでは、ストレスがどのように不正出血に関わっているか見ていきましょう。女性ホルモンは、脳の視床下部や下垂体の指令により分泌されており、脳にストレスがかかると働きが悪くなり、ホルモン分泌がうまくいかず、ホルモンバランスが乱れます。
また、視床下部には自律神経をコントロールする役割もあるため、ストレスによる影響はホルモンの分泌だけでなく、自律神経にも乱れを生じさせます。
自律神経自体は交感神経と副交感神経のバランスを取るものですが、自律神経のバランスが乱れると体が緊張状態のままになり血行不良を引き起こします。血行不良のため体が冷えることも子宮や卵巣の機能を低下させ、不正出血の原因となります。
ホルモンバランスが乱れることによっても自律神経が乱されることがあり、この2つのバランスは相互に影響し合っているのです。
ホルモンバランスの乱れと不正出血
ホルモンバランスの乱れについて、もう少し詳しくご説明します。
女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があり、ホルモンバランスとはこの2つのホルモンのバランスのことです。
それぞれに違う役割があり、卵胞ホルモンは卵巣から卵を排卵させるとともに、子宮内膜を厚くさせます。黄体ホルモンは、体温を上昇させ、体を妊娠しやすい状態に保つ役割があります。
通常、排卵後、妊娠に至らない場合、この2つのホルモンの分泌量が減り、厚くなっていた子宮内膜が剥がれ落ち月経が始まります。ところが、ホルモンバランスが乱れていると月経を待たずにホルモンの分泌量が減るため、子宮内膜が剥がれ、不正出血が起こります。
自立神経の乱れに対処し、不正出血を予防しましょう
ストレスにより不正出血がある場合、主な対処方法はストレスの原因を取り除くか、ストレスを発散することになるでしょう。
また、前述のホルモンバランスについて、原因となる病気の治療でない限り、自らバランスをコントロールすることは困難です。
しかし、自律神経の乱れについては、自分自身が注意することで改善が見込まれますので、いくつか具体的な方法をあげてみましょう。
ぬるめのお湯につかる習慣をつける
血行不良と冷えを改善するため、ぬるめのお湯に長くつかることで体を温めましょう。
生活のリズムを作る
交感神経と副交感神経のバランスは生活のリズムによって保たれます。仕事・食事・睡眠といった生活のリズムを乱さないようにすることが、自律神経の安定につながります。
体重をコントロールする
肥満や過度のダイエットはホルモンバランスを狂わせます。前述のとおり、ホルモンバランスが乱れると自律神経にも影響するため、太りすぎ・やせすぎの状態にならないよう体重をコントロールすることが重要です。
不正出血を予防するにはストレスを上手に発散し、自律神経を乱さないことが重要です。体を冷やさないようこころがけ、健康的な生活習慣を身につけましょう。
まとめ
ストレスが引き起こす不正出血
原因を見極めましょう
ストレスが不正出血を引き起こす仕組み
ホルモンバランスの乱れと不正出血
自立神経の乱れに対処し、不正出血を予防しましょう