子宮がんは女性のがんの中では、胃がん、乳がんの次に多い病気です。ですが、早期発見により治癒する可能性の高い疾患でもあります。
初期の段階では無症状・無自覚の場合もありますので、定期検診を利用することと共に、何か異常を感じたら早めに医師や医療機関へ相談することが大切です。
今回は、 不正出血 や 腹痛 が伴う疾患についてご紹介いたします。
不正出血や腹痛があるときは、子宮体がんに要注意です!!
子宮体がんの基礎知識
婦人科の病気でもっとも多い疾患は子宮がんですが、その子宮がんは大きく子宮体がんと子宮頸がんにわけられます。
子宮体がんとは子宮奥の内側、つまり内膜にできるがんです。そのため子宮内膜がんと呼ばれることもあります。50~60代の女性に多いと言われ約75%は閉経後の女性に見られます。
また子宮頸がんは膣から続く子宮の入り口側、頸部にできるがんで、20~40代の方に多いとされています。
この二つの病気は、診断方法や治療また経過観察の仕方に違いがありますので注意してください。
子宮体がんの症状は
症状のなかでも特徴的なものは不正出血です。子宮体がんを患う約90%の人に見られます。閉経後にも関わらず少量の出血が続く場合は、早めに婦人科を受診してください。
また、おりものの場合も同様に注意が必要で、初めのころは薄い色でも茶褐色になっていくときもあり、異臭を伴う場合もあります。
また生理痛のような腹痛を感じるときもあり、さらにがんが進行してしまうと排尿痛や貧血・下腹部痛がおこり、陣痛のような重い腹痛になる場合もありますので留意してください。
子宮体がんの原因として
主に考えられるのは女性ホルモンとの関わりで、エストロゲンという卵胞ホルモンが子宮内膜を刺激することにより子宮体がんが発生していくのではないか、と考えられています。
子宮体がんのうち80~90%がエストロゲンの影響を受けて増殖するタイプであり、10~20%がエストロゲンとは関連のないタイプです。
なお、脂肪細胞からもエストロゲンは供給されるので肥満にも注意が必要ですし、更年期障害のエストロゲン治療や、妊娠の経験がないことも罹患リスクが高まる可能性があります。
あるいは日ごろからストレスを溜めやすく、不規則でバランスの悪い食生活や運動不足なども直接ではなくとも原因要素として考えられています。
気になる検査法は
細胞診といって、膣から細い管を挿入し子宮内膜の細胞を採取します。このときに異常が発見されるとさらに専用の器具で細胞を採取し、検査をしていきます。なお子宮体がんの検査のあとは、多少出血があったり2~3日腹痛がある場合もありますので、あらかじめ知っておいてください。
そして検査結果が確定するまでに時間を要したり、場合によっては同じ検査を複数回する場合もあります。わからないことや検査について気になることなどは、遠慮なく医師や医療機関に訊ねるようにしてください。
なお一般的に子宮がん検診という場合子宮頸がんの検査のみを行うことが多いため、子宮体がんの検査を希望する際は確認や申し出が必要です。
子宮体がんの治療法は
外科的手術と放射線療法、また抗がん剤による化学療法とホルモン療法、レーザー療法などがあります。ただし病巣部の摘出つまり子宮全摘出術による治療が多いことは事実です。またその際卵巣や卵管も除去する処置も多いです。
妊娠の可能性を残したい場合は対応が変わりますので、医師に相談してください。また患者様の病状の進行具合(いわゆるステージ)によっても治療法は異なります。
子宮体がんにおける不正出血と腹痛
不正出血や腹痛はストレスやちょっとしたことでも起こるため軽く考えてしまいがちですが、放置せずに早めに医療機関の診断を受けるようにしてください。早期発見できれば治療方針の選択幅を広くできるだけでなく、当然術後の予後も良く軽くでき、再発の防止にもつながります。
子宮体がんの病状ステージは、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期・Ⅳa期・Ⅳb期と分けられており、条件によっては子宮を温存して治療できる場合もあります。ですから体からのサインは見逃さないように努めることが大切です。
まとめ
不正出血や腹痛がある場合、子宮体がんに要注意です
子宮体がんの基礎知識
子宮体がんの症状は
子宮体がんの原因として
気になる検査法は
子宮体がんの治療法は
子宮体がんにおける不正出血と腹痛