フェリチンは身体を構成する水溶性たんぱく質の一種で内部に鉄分をためることができるので「貯蔵鉄」「第二の鉄」などと呼ばれています。 フェリチン 値が 低い と、貧血だけではなく、全身にさまざまな影響が出ると言います。
フェリチンを増やす方法も含めてご紹介いたします。
貧血だけではないフェリチン値が低い全身への影響
フェリチンとは
フェリチンは肝臓や脾臓、骨髄や小腸粘膜などの細胞内や血液中にも少し存在する人間の身体を構成する水溶性たんぱく質の一種です。
正確に言うと、貯蔵鉄と結合しているたんぱく質ということになります。上述したように、内部に鉄分をためることができるために、「貯蔵鉄」「第二の鉄」などと呼ばれることがあります。
多くの方が「鉄欠乏性貧血」と聞いて思い浮かべるのはヘモグロビンではないでしょうか。ご存知のようにヘモグロビンは、鉄がないと全身に酸素を運ぶという人間が生命を維持するために重要な役割を果たすことができません。
そこで、体内に取り入れられた鉄はヘモグロビンに優先的に回されて、余ったものがフェリチンに貯蔵される仕組みになっています。
その上、出血したり、鉄不足になった場合には、フェリチンに蓄えられている鉄から使い始めるために、ヘモグロビンの鉄よりフェリチンの鉄が先になくなってしまうというようなことも起こります。
血液検査でヘモグロビン値は正常でもフェリチン値は低いということも起こってしまうのです。
フェリチンの基準値
血清フェリチンの測定法として検査機関や医療機関でよく用いられるのは、RIA法と金コロイド凝集法と呼ばれるものです。
それぞれの機関によって正常とされる数値に若干の違いがあるようですが、RIA法の場合、男性20~220ng/ml/・女性10~85ng/ml、金コロイド凝集法の場合、男性40~10ng/ml・女性20~70ng/ml程度が基準値とされています。
生理のある女性は出血により鉄分を失う上に、身体に蓄えられるフェリチンの量も男性に比べて少ないために、常に食事から鉄分を補う必要があり、男性に比べて5~7mgほど多く鉄分を摂る必要があると言われています。
測定したフェリチンの値が基準値より低い場合は貧血、高い場合には悪性腫瘍が疑われる場合があります。
フェリチン値が低いと
フェリチン値が低いということは鉄が不足しているということです。鉄不足でまず思い浮かべるのは貧血ですが、その他にも鉄は全身にさまざまな影響を与えています。
何より鉄は新しい細胞を作るためになくてはならないものです。新しい細胞を作ることができなくなると皮膚の表面では肌荒れが起こり、なかなか症状が改善されません。また、免疫細胞も減少してしまうために、風邪症状が長引いたり、疲労感がとれなかったりもします。
さらに、脳内のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が不足することで睡眠障害やうつ症状を引き起こすこともあります。
従来は鉄不足が原因だとは考えられてなかったさまざまな症状の原因が鉄不足にあったことが明らかになってきたのです。そのためにヘモグロビン値とともにフェリチン値が鉄分不足をしめす重要な指標として注目され始めたのです。
フェリチンを増やすには
鉄分を身体に取り込むには鉄分の多い食べ物をやみくもに摂ればよいというわけではありません。
摂った鉄が身体に吸収されるには、吸収しやすい形の鉄であること・鉄分の吸収を助ける食べ物を同時に摂ること・鉄分の吸収を阻害する食べ物を同時に摂らないことという3つの注意点があります。
ご存知のように鉄には動物性の食品に含まれるヘム鉄と植物性の食品に含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄の吸収率は23~28%であるのに対して非ヘム鉄の吸収率は1~5%です。
鉄分は一度に吸収される量が限られていますので、毎食、少しずつ摂り続ける必要があります。その際、鉄の吸収率にも着目して食品を選びましょう。
鉄分の吸収を助けるのは、タンパク質・ビタミンC・ビタミンB群などです。レモンが鉄の吸収率を2倍にすることはよく知られています。
鉄分の吸収を阻害するのは、タンニン・カルシウム・炭酸・食物繊維などです。コーヒー・紅茶・緑茶・炭酸飲料などは飲むタイミングを食事とずらすことで、鉄分の吸収に影響を与えないようになります。
鉄は吸収率が低く、不足しがちな栄養素としてよく知られています。上述したように、従来考えられていた以上に鉄不足は身体にさまざまな影響を及ぼしています。
食事で不足する分はサプリメントで補うなどして、フェリチン不足に陥らないようにすることが大切になってきます。
まとめ
貧血だけではないフェリチン値が低い全身への影響
フェリチンとは
フェリチンの基準値
フェリチン値が低いと
フェリチンを増やすには