卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンは、女性が妊娠・出産するためになくてはならないものです。その上、肌や髪質をよくする働きもあることから「美と健康のホルモン」とも呼ばれています。
エストロゲン の増減にかかわる 食品 についてご紹介いたします。
エストロゲンを増やす食品・減らす食品
エストロゲンの働き
エストロゲンは女性らしい丸みのある体を作り、子宮内膜を厚くして妊娠できるような準備をする女性にとって大切なホルモンです。
エストロゲンには血管を拡張して熱を発散させることで基礎体温を下げるという働きもあります。排卵直前に基礎体温が下がるのは排卵期にエストロゲンが最も多く分泌されるからなのです。
エストロゲンにはカルシウムの吸収を助けて骨をじょうぶにするという働きや血液中の善玉・悪玉のコレステロールの均整をとって動脈硬化を抑制する働きもあります。
更年期になってエストロゲンの分泌が減少すると骨粗鬆症や高脂血症になることが多くなるのはエストロゲンにこのような働きがあるためです。
エストロゲンは脳の視床下部にある自律神経の中枢にも影響を与えます。更年期にあらわれるほてりやのぼせなどの自律神経系の不調にはエストロゲンの分泌の減少が大きくかかわっています。
出産後に急激にエストロゲンの分泌が減少すると肌荒れを起こしたり大量に髪が抜けたりすることがあります。エストロゲンには美肌を保ち、髪の毛の成長を促すという「美のホルモン」という側面もあるのです。
エストロゲンを増やす食品
大豆製品
豆腐や味噌などの大豆食品にはエストロゲンに似た性質のある大豆イソフラボンが含まれていることはご存知の方が多いのではないでしょうか。
大豆製品はイソフラボンだけではなく、女性ホルモンの代謝とバランスを整える働きのあるビタミンB6も豊富に含まれています。豆腐・油揚げ・味噌だけではなく、きな粉や豆乳などとさまざまな形で摂取できるのも大豆製品の魅力です。
ナッツ類
ナッツ類に含まれるオメガ3系の脂肪酸にはホルモンバランスを整えてイライラを改善する働きがあることが知られています。
卵
良質なコレステロールを豊富に含む卵は女性ホルモンの原材料になるものです。
また、卵にはビタミンCと食物繊維以外の栄養素がすべて含まれているために完全栄養食品とも呼ばれています。卵はいろいろな料理法でアレンジできるので毎日食べるのにもお勧めの食品です。
レバー・アボカド・牡蠣
これらの食品には必須ミネラルの亜鉛が多く含まれています。ご存知のように、亜鉛はDNAやたんぱく質の合成にかかわる重要な栄養素ですが、女性ホルモンの分泌を促す働きももっています。亜鉛はヒトの体の中では作ることができないものなので積極的に摂取する必要があります。
キャベツ
キャベツにふくまれるボロンという成分には女性ホルモンんを活性化する働きがあります。さらに、食物繊維が豊富なキャベツには解毒作用もあります。
煮ても炒めても、生でも食べることができるのも忙しい毎日を送る女性にとってありがたい食品であると言えるでしょう。
青魚
青魚にはたんぱく質だけではなく、血液サラサラ効果のある不飽和脂肪酸や脳を活性化するDHAも豊富です。
エストロゲンを減らす食品
緑茶
緑茶に含まれるカテキンはエストエロゲンの分泌に何らかの影響を与えて分泌量を減らしてしまうと言われています。
アブラナ科の野菜
アブラナ科の野菜にはキャベツ・芽キャベツ・ブロッコリー・カリフラワーなどがありますが、これらの野菜に多く含まれるジインドリルメタン・インドール3カノビノールが男性ホルモンであるテストステロンを増やしてエストロゲンを減らしてしまうと言われています。
キノコ類
キノコ類は男性ホルモンであるテストステロンをエストロゲンに変えるアロマターゼ酵素の働きを阻害すると言われています。
柑橘類
みかんやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれるb-リモネンはエストロゲンを解毒して作用を薄れさせると言われています。
上記の4例の食品はエストロゲンを減らす作用はしますが、それぞれ体によい働きももっているものばかりです。緑茶に含まれるカテキンには免疫力をあげる働きがありますし、ブロッコリーやキャベツはビタミンの宝庫です。
また、きのこのアロマターゼ酵素を阻害する働きは乳がん予防に有効だとも言われています。柑橘類のビタミンCが美肌を作ることはよくご存知のことでしょう。
食生活で大切なことはバランスよく食べるということです。エストロゲンを減少させるからという理由で上記の食品を摂らないようにするというのは賢明ではありません。摂り過ぎに用心しながらバランスよくさまざまな食品を組み合わせて摂取するようにしましょう。
まとめ
エストロゲンを増やす食品・減らす食品
エストロゲンの働き
エストロゲンを増やす働き
エストロゲンを減らす食品