中耳炎は鼓膜の奥の中耳と呼ばれる部分に菌が入り、炎症を起こす病気です。子供に多いと考えられていますが、大人でもかかることがあります。中耳炎はどのようなことが原因で起こるのでしょうか。
さまざまな 中耳炎 の 原因 と注意点をご紹介いたします。
大人特有の中耳炎の原因
中耳炎とは
ご存知のように耳は外側から外耳、中耳、内耳という3つの部分に分かれています。中耳炎とは鼓膜の奥の中耳の部分に菌などが侵入して炎症を起こす病気です。耳と鼻は奥の方でつながっているのですが、菌は耳の外からではなく、鼻の奥から入ってきます。
免疫力が低くて風邪をひくことの多い子供は、耳管と呼ばれる耳の管が太く短く、傾きも水平に近いことから、風邪をきっかけに増えた菌が耳に入りやすいために中耳炎になる頻度が非常に高いものです。
大人は耳管の構造的には中耳炎になりにくいものですが、なってしまうと症状が重く、治りにくいとも言われています。中耳炎は決して子供だけの病気ではありません。
痛みや腫れの強い、中耳炎になったはじめの1週間を急性中耳炎、その後、残っている膿が徐々に抜けて治っていく時期を滲出性中耳炎と呼び分けます。
中耳炎の原因
急性中耳炎になる原因としては、風邪・鼻のかみすぎ・飛行機に乗った・ダイビングや素潜りをしたなどに飲酒や疲労などの体調不良が重なることなどが考えられます。
いずれの場合も上述したように、奥の方で耳とつながっている鼻の奥の菌が耳管を通って逆流することが原因で炎症を起こすことが中耳炎の発症の原因となります。
航空性中耳炎は子供には少ない、その名の示す通り、飛行機に乗った際の気圧の変化に耳管が追いつかないことが原因で起こる中耳炎です。
発症しやすいのは、飛行機に乗る時に風邪をひいている・1,000キロ以上の長距離を飛行する・密閉性の低いプロペラ機に乗る・睡眠不足などの体調不良・耳抜きができない体質などの状態の時であると言われています。
飛行機が着陸するために下降を始めた後、耳が痛くなったり、聞こえが悪くなったりして、翌日まで耳が詰まった感じや痛みが持続するような場合は航空性中耳炎の可能性があります。
何らかの菌に感染して炎症を起こす病気は、感染した際の体調に大きく影響を受けます。睡眠不足や疲労が蓄積しているような場合には、同じ条件下でも中耳炎になりやすいと言うことができます。
中耳炎の治療
急性中耳炎の状態では耳の痛みを訴えることが多いので、消炎鎮痛剤や抗生物質を内服することになります。
鎮痛剤の効果が十分でないような場合には痛み止めの座薬が処方されることや追加の抗生物質が必要だと判断される場合には注射をされることもあるかもしれません。
上述のような内科的な治療に限界がある場合には鼓膜を切開して、膿を排出する処置を行うことがあります。鼓膜切開をした場合や自然排膿した場合には耳漏(耳だれ)があふれ出るようなことがあります。
急性中耳炎は治療を開始して2~3日で痛みがとれていきますが、その後も聞こえの悪さが残ってしまう場合があります。これが上述した滲出性中耳炎の症状にあたります。痛みがなくなっても、鼓膜の奥には膿が残っているので聞こえが悪いままなのです。
溜まった膿は入ってきた時と逆の方向へ耳管を通って鼻の奥にゆっくり時間をかけて排出されます。中耳炎の膿が完全に抜けるのは早くて1か月、大量の膿の場合には2~3ヶ月かかることも珍しくはないようです。
中耳炎の完治は鼓膜の奥の膿が完全に排出されて、元通りの聞こえが戻った時です。多忙な毎日を送る中での耳鼻科への通院は大変ですが、治し切ることが非常に大切になってきます。治療不十分な場合には再発したり、治療自体が長引くという可能性が出てきます。
大人の中耳炎の注意点
アルコールやタバコは中耳炎の治りを悪くすると言われています。特に内服薬を処方されている場合などは注意してください。
他の病気と同様に睡眠不足や疲労の蓄積は発症の可能性を高くしてしまいます。大人も中耳炎になることがあるということを心に留めて、風邪をひいていて耳が痛い場合には、早めに耳鼻科を受診することをお勧めいたします。
まとめ
大人特有の中耳炎の原因はありますか?
中耳炎とは
中耳炎の原因
中耳炎の治療
大人の中耳炎の注意点