膀胱炎 は男性には稀だと言われるほど 女性 に多い病気で、その 症状 のひとつとして 下腹部痛 があります。ところが、女性の下腹部には子宮や卵巣などの生殖器官もあることから月経痛をはじめとしてさまざまな理由で下腹部痛が起こるため判断がつきにくい場合もあるようです。
膀胱炎特有の下腹部痛といったものがあるのでしょうか。
膀胱炎の症状にもある女性が注意すべき下腹部痛
膀胱炎とは
膀胱炎の中で最も一般的な急性膀胱炎は大腸菌やブドウ球菌などごくありふれた細菌が尿道口から膀胱に侵入して炎症を起こすことによって発症する細菌性膀胱炎です。
女性が膀胱炎になりやすいのは平均で15~17センチある男性の尿道に比べて3~5センチしか尿道の長さがない上に直線的なので雑菌が侵入しやすい、尿道口と肛門が近いことなどが原因と考えられます。
膀胱にはある程度感染を防ぐ機能もあるのですが、疲れが溜まっていたり風邪をひくなどして免疫力が低下すると膀胱炎を発症してしまうことがあるのです。
頻尿、排尿時の痛み、尿の濁りがおもな症状ですが、残尿感を感じたり血尿が出たりすることもあります。
膀胱炎の症状の原因
健康時には100~150ミリリットルの尿が溜まると膀胱壁が伸びて尿意をもよおすのですが、膀胱炎になるとわずかな尿しか溜まっていなくても炎症を起こしている膀胱壁を刺激するために頻尿になってしまいます。
排尿が終わるときに痛むのは空になった炎症のある膀胱壁がくっつくことによる痛みです。さらに病状が悪化して炎症が膀胱のみならず尿道までおよんでくると排尿の始めにも痛むようになってきます。
肉眼ではわからないものの、尿の濁りは尿中に白血球が混じるために起こります。炎症が進んでしまって膀胱全体が赤くなってしまうと膀胱から出血するようになって、血尿の原因になります。
膀胱炎による下腹部痛
月経による下腹部痛と膀胱炎による下腹部痛はどちらも下腹部に重苦しい痛みがあるという共通点があります。月経痛は月経前と月経時に痛み、膀胱炎によるものは排尿時や排尿後に痛むというように痛む時によって原因を推量することができます。
また、膀胱炎に伴う下腹部痛では陰部もヒリヒリするような痛みをも伴うことが多いようです。排尿時の痛みはツンと響く痛みと表現する方もあります。
同じ下腹部痛でも腸に何らかの原因がある場合には下痢や便秘を伴います。
膀胱炎の場合は膀胱が位置する下腹部の中心が痛くなるのに対して虫垂炎ではみぞおちから始まった痛みが徐々に右下下腹部に移動します。
膀胱炎の痛みであるかどうかを見極めるには痛む部位と排尿痛や頻尿といった他の症状を勘案する必要があります。
中高年の女性に多いと言われている間質性膀胱炎は急性膀胱炎などのような細菌性膀胱炎とは違った痛みがあります。尿が溜まってくると痛み、排尿すると痛みが軽くなるというのが特徴です。さらに下腹部だけではなく腰や大腿部まで痛むようなこともあるようです。
間質性膀胱炎の下腹部痛のタイミングは尿が溜まった時だけでなく、冷えた時や排尿後の他、月経前にも痛む方があって区別がむずかしいかもしれません。ただし、痛む箇所は膀胱、尿道、膣などが多いようです。
また、膀胱炎による下腹部痛が強くなったり、痛む部分が広がったりする場合は炎症の悪化や広がりが起こっている可能性があります。
症状が慢性化する際に痛みが一度和らぐというようなこともありますので、治療をきちんと最後まで受けて尿の中の菌がなくなったことを確認することをお勧めいたします。
女性が注意すべき下腹部痛
女性にとって下腹部は卵巣や子宮など大切な生殖器も存在するところです。卵管炎や卵巣嚢腫茎捻転、卵巣出血などの婦人科系疾患や子宮外妊娠でも下腹部痛を起こすことはよくご存知のことと思います。
月経に伴う下腹部痛を経験していることで痛みに慣れている女性が多いことも事実でしょう。膀胱炎に伴う下腹部痛もいつもの痛みだと我慢してしまうことがあるかもしれません。
どんどん酷くなるとか、痛みの範囲が広がってくるなどいつもと違う痛みを感じられた場合はためらわずに受診することをお勧めいたします。痛みの変化は膀胱炎の悪化や他の病気のサインということもあるのです。
まとめ
膀胱炎の症状にもある女性が注意すべき下腹部痛
膀胱炎とは
膀胱炎の症状の原因
膀胱炎による下腹部痛
女性が注意すべき下腹部痛