女性の2人に1人が一生のうちに1度は経験すると言われている膀胱炎ですが、 膀胱炎 の種類によって 治療 の方法が変わってくるようです。膀胱炎の種類ごとの治療法を治療薬や治療上の注意点を含めてご紹介いたします。
種類によって治療法が変わってくる膀胱炎
膀胱炎とは
膀胱炎とは尿を溜める臓器である膀胱の粘膜が何らかの原因で炎症を起こしてしまう病気です。初期症状はトイレが近くなることで、症状が進むと10分おきにトイレに行くようなことになってしまう場合もあります。
排尿後もすっきりせず残尿感を感じ、排尿の終わりころから排尿後にかけて痛みを感じることがあります。尿は白濁したり、時には血が混じるようなこともあります。
膀胱炎特有のツーンとした痛みは炎症を起こした膀胱が排尿によって急激に刺激を受けることによって起こると言われています。
膀胱炎は女性に多い病気ですが、排尿を我慢したリ、冷えやストレスによって症状が悪化してしまうことがよく知られています。悪化すると痛みが強くなったり血尿が出るだけではなく、腎盂腎炎を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
また、一度かかった方は繰り返しかかってしまうという傾向もありますので、再発を防ぐことも治療のポイントとなってきます。
膀胱炎の種類と治療法
急性膀胱炎
一般的に膀胱炎と呼ばれている単純性の膀胱炎のことです。男性にはきわめて稀で、ほとんどの患者が女性です。尿道から大腸菌が入ることが原因で発症します。
ストレスや過労で免疫力が低下したようなときに発症することが多いものです。風邪をひいたり、過度なダイエットで栄養状態が悪い、体が冷えたなどということも原因になります。
1日に10回以上トイレに行くような頻尿になり、尿は白濁したり、血尿が出るようなこともあります。残尿感と排尿後の痛みも感じることが多いようです。
急性膀胱炎の原因菌は大腸菌であることが多いので、ニューキノロン系やセフェム系の抗生物質が処方されます。内服期間は4~5日で、自覚症状が消失し尿検査で菌を認めず、炎症所見がなくなれば内服を止めることができます。
慢性膀胱炎
何らかの基礎疾患が原因となって膀胱の中に細菌が入ってしまったことが原因で起こるものです。急性膀胱炎より症状が軽い場合が多く、急性から慢性になってしまう場合もあるようです。
原因となる基礎疾患とは前立腺肥大症や膀胱結石、尿路結石、糖尿病などであるとされており、急性膀胱炎が男性に稀であるのに対して、慢性膀胱炎は男性にもみられるものです。症状は急性膀胱炎とほとんど同じですが、自覚症状がないほど軽いという場合があります。
自覚症状があって細菌が原因の場合には抗生物質が投与されますが、基礎疾患を根本的に治療しないと細菌を完全に取り除くことはできません。そのために基礎疾患の治療と並行した治療が必要となります。
間質性膀胱炎
以前は急性膀胱炎と診断されることが多かった間質性膀胱炎は急性膀胱炎と同じような症状が出ます。急性膀胱炎と違うのは、痛みが排尿時ではなく尿が溜まった時に強いということとある特定の食べ物によって痛みが強くなることがあることです。
痛みを引き起こすことの多い食べ物は熟成チーズ・赤ワイン・柑橘類・香辛料・カフェインを含むものなどが知られています。何を摂取した時に痛みが強くなったかを記録して自己管理する必要があります。
間質性膀胱炎の場合にはさまざまな方法を組み合わせて治療しますが、完全な治癒ではなく、症状の緩和を目指すことになります。
膀胱炎の治療の注意点
抗生物質の効果の高い膀胱炎ですが、最近では耐性菌が多くみられるようになってきたと言います。
そのために細菌検査をして、薬剤感受性を見極めた上で処方された抗生物質でないといたずらに治療期間だけ長引いて、効果が得られないというようなことも起こってきます。
再発することの多い膀胱炎ですので、慣れてしまって、素人判断で安易に薬を服用しないことが大切になってきます。また、処方された薬はきちんと飲み切ることと水分をふだんよりもたっぷり摂ることも非常に大切です。
まとめ
種類によって治療法が変わってくる膀胱炎
膀胱炎とは
膀胱炎の種類と治療法
膀胱炎の治療の注意点