便秘薬を飲んでいるのに、なかなか便通が整わないという方がいたら、自分の便秘の原因は何であるのかを見直してみることが大切です。
たくさんある便秘薬のなかには必ず自分に合う便秘薬があるはずです。医師の診察を受け自分に合った 便秘薬 を見つけ、上手に便秘とお付き合いしていくことが大切です。
症状に合わせて選ぶ便秘薬
- 目次 -
便秘薬の種類
便秘薬はその作用によりいくつかの種類があります。「刺激性下剤」、「機械性下剤」、「食物繊維型の下剤」、「整腸剤」、「漢方薬」などがおもにあげられますが、自分の便秘の原因を知り、それに合わせて薬を選択することが便秘を解消するためには重要になります。
腸の動きが悪い人に向いている「刺激性下剤」
ストレスや女性ホルモンの影響などで腸の動きが悪くなり便秘になってしまう人には、「刺激性下剤」が向いています。「刺激性下剤」は、センノシド、ビサコジル、大黄などの成分が大腸や小腸に刺激をあたえ、腸の蠕動運動を活発にさせることで便を体外に出やすくする便秘薬です。
作用がかなり強いため、すっきりと便秘を解消できる人が多いようですが、人によってはひどい腹痛や下痢、吐き気などをともなう場合があるため、飲む量や成分量には注意が必要です。
便意があるが硬くて出ない人に向いている「機械性下剤」
便意があるのでトイレに行くが、力んでもなかなか便が出ず出たとしても便が固い、という人には、「機械性下剤」が向いています。「機械性下剤」は、酸化マグネシウムを配合した下剤で、その成分が腸内に水分を取り込み便を柔らかくするため、あまり力むことなくても便が出るようになります。
お腹の手術を受けた人や妊娠している人に向いている下剤で、腹痛などの副作用がほとんどないためマイルドな下剤と言えます。
また、飲む量を変えることで便の硬さをコントロールできるため、常用することで便秘を上手にコントロールすることができます。あまり飲みすぎるとひどい下痢になることがあるため注意が必要です。
腸内環境が良くない人に向いている「整腸剤」
健康な人の腸は、ビフィズス菌やアシドフィルス菌などの善玉菌がバランス良く存在しており、そのことが腸内環境を良くしているため、あまり便秘になることはありません。
ですが、食生活の乱れ、ストレス、ヨーグルトなどの乳製品の摂取不足により、悪玉菌が増え腸内環境が悪化し便秘になることがあります。
そのような人の便秘には、ビオフェルミンなどの「整腸剤」が向いています。しばらく飲み続けることで、腸内環境が整ってくるため便秘も解消されてきます。
まれに、整腸剤で便秘になってしまう人もいますので、飲み続けても便秘が解消されない場合は、医師に相談することをおすすめします。
マイルドな効き目の「漢方薬」
身体全体の調子を整えながら、便秘も解消したいという人には、「漢方薬」が向いています。「漢方薬」はさまざまな生薬を調合して、人それぞれの体質に合ったものを飲むことで、体質を改善していく薬なため、身体の調子が整うことで便秘も解消されます。
便秘に効果のある代表的な漢方薬には「防風通聖散」、「麻子仁丸」、「桂枝茯苓丸」などがあげられます。
「漢方薬」はしばらく飲み続けることで効果が出てくるため、便秘が解消するまでには少し時間がかかるかもしれませんので、浣腸を併用しながら服用すると効果的です。
また、「漢方薬」は薬局で購入すると高価なため、病院やクリニックで医師の診察を受けて保険が効くものを処方してもらうことをおすすめします。
便秘薬の副作用
どの便秘薬も、ドラッグストアに行けばすぐに購入できるため、自己判断で安易に購入し、常用してしまう人が多いかもしれません。また、便秘薬は比較的身近な薬のため、副作用などのことはあまり気にせず服用を続けてしまう場合があります。
下痢や便秘を繰り返し、腸の働きがかえって鈍くなってしまった、便秘薬がないと便が出ない体質になってしまったという人も多くいます。また、「大腸メラノーシス」という大腸の粘膜にセンナなどの便秘薬の色素が付着し腸内が黒い状態になるということもあります。
便秘薬とは、あくまでも対処療法で長期的に服用するものではないため、自己判断で購入し常用することはとても危険なことです。
健康だが慢性的な便秘に悩まされている、お腹の手術をしたため腸閉塞が心配、妊娠している、老人で便が出にくいなど、長期的に便秘薬が必要な可能性の高い人は必ず医師の診察を受け、どのような便秘薬を服用したらよいのか相談することが重要です。
また、そのことが重篤な副作用の防止にもつながります。
まとめ
症状に合わせて選ぶ便秘薬
便秘薬の種類
腸の動きが悪い人に向いている「刺激性下剤」
便意があるが硬くて出ない人に向いている「機械性下剤」
腸内環境が良くない人に向いている「整腸剤」
マイルドな効き目の「漢方薬」
便秘薬の副作用