「便秘が死亡リスクのある病気を招く(前編)」では、便が排出される仕組みや便秘が続いた場合にどのようなことが起きるのかご説明いたしました。後編では、便秘薬がもたらす悪影響について、また腸内環境を整える大切さについてご説明いたします。
慢性的に 便秘 が続いた場合、 死亡 するケースもありますので日常生活の改善が大切といえます。
便秘が死亡リスクのある病気を招く(後編)
便秘薬が与える悪影響
便秘に効くとされる薬は、市販でも購入することができます。特に女性は、ホルモンの影響で便秘になりやすく市販薬を使用している方も多いと思います。しかし、市販薬の使用方法を誤ると、かえって便秘を悪化させ糞便性イレウスを招いてしまうことがあります。
便秘薬には主に2つの種類があり、1つは小腸や大腸に刺激を与えて排便を促すタイプ、もう1つは便が排泄されやすいよう便が含む水分を調整して排便を促すタイプです。どちらの薬もそれぞれの特徴を持ち便秘を改善させる効果がありますが、注意しなくてはならない副作用もあります。
便秘薬の中には、常用性という副作用のあるものがあり、長期間使用し続けることにより腸が慣れて動きが鈍くなってしまい、ついに薬なしでは排便できない下剤依存症に陥り、さらに便秘が重症化してしまうのです。
そのため、便秘薬を使用しても効果があらわれない場合は、自己判断で薬を調整するのではなく、医療機関で適切な処方をしてもらわなければなりません。
腸内環境を改善し、排便のリズムを整える
腸の中には100種類以上の腸内細菌がおよそ100兆個も存在しているといわれています。体によい影響を与える善玉菌、悪い影響を与える悪玉菌、どちらか優位な方につく日和見菌がバランスよく腸内フローラを構成し共存しています。
腸内フローラが正常に機能している場合は、善玉菌が優位となり、蠕動運動を活発にさせたり、体にとって有害な病原菌が腸内に定着するのを阻害したり、ビタミンの産生、免疫の活性化をおこないます。
しかし、バランスが乱れ、悪玉菌が優位になってしまうと、便を腐敗させ毒素や発がん性物質を産生し、糞便性イレウスをはじめ、大腸がんや炎症性腸疾患、肌荒れ、肥満の原因にもなります。
腸内環境を整えるためには、善玉菌を補うサプリメントやヨーグルト、味噌などの発酵食品を積極的に摂る方法、そして、悪玉菌を増やす原因となる飲酒やストレス、生活習慣の乱れを正すことも必要です。
また、腸の動きを活発にし蠕動運動をおこさせるための運動を心掛けたり、便意を感じたときにトイレに行く習慣をつけることも大切です。外出先などでは、なかなかトイレに行くことができず我慢してしまいがちです。
しかし、食後や運動のあとで蠕動運動が活発になりやすいことを利用し、朝食後や夕食後に軽く体を動かしてトイレに行くと便意もおこりやすくなります。体がこのリズムに慣れてくると、毎日トイレに行きやすい同じ時間帯に便意がおこりやすくなります。
このように、腸内環境と排便のリズムを整えることにより、スムーズな排泄行動がとれあらゆる病気を防ぎお腹の中から健康を手に入れることができます。
まとめ
便秘が死亡リスクのある病気を招く(後編)
便秘薬が与える悪影響
腸内環境を改善し、排便のリズムを整える