バセドウ病は1840年に研究発表したカール・フォン・バセドウにちなみバセドウ氏病と名付けられました。現在では、バセドウ病と呼ばれることが多いようです。初期のうちに治療しないと入院期間が長引いたり、甲状腺クリーゼという命にかかわる状態になることがあります。
バセドウ氏病 はどのような病気なのでしょう。
バセドウ氏病について
バセドウ氏病とは
バセドウ氏病とは、甲状腺ホルモンが過剰に作られる甲状腺の病気です。甲状腺はのどぼとけの下あたりにあります。バセドウ氏病は自己免疫疾患であり、甲状腺を刺激する抗体が身体のどこかで作られてしまう病気です。
甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を活発にするホルモンです。発症の比率は男性1割・女性9割ほどで、年齢は20~30代が半数を占めています。
症状
バセドウ氏病は甲状腺機能に異常があり、甲状腺ホルモンを適当な量にできないため体中に症状が出てきます。見た目にわかる症状として、目つきが変わり、眼が出てくる眼球突出があります。代表的な症状ですが、バセドウ氏病のすべての人ではなく、3割程度の人に見られます。
新陳代謝が活発になるため、脈拍が速くなり、たくさん汗をかき疲れやすくなったり、微熱が続いたり、イライラしたりします。精神的な症状は、落ち着きが無くなったり、体重が減ってしまったり、逆に食欲が増し体重が増加する人もいます。
ほかにも脱毛、脱力感、集中力の低下、不眠、皮膚がかさかさするなどさまざまな症状があります。
原因
バセドウ氏病になる原因は、自分の甲状腺を異物として、甲状腺の細胞に対する抗体が、体質の変化で生産されるようになります。
この抗体の影響で常に甲状腺が刺激を受けるため、甲状腺ホルモンを作り続け、新陳代謝が異常に活発になり、バセドウ氏病の症状が現れると考えられています。
検査
バセドウ氏病の検査は、血液検査、頸部(甲状腺)超音波検査、尿検査、心電図検査、甲状腺ヨード摂取率検査などがあります。血液検査では、甲状腺ホルモンの値を調べ、FT4、FT3が高い数値でTSHが低くなります。
バセドウ病になると体中にTSHレセプター抗体ができ、甲状腺を刺激し続けるため、TSHが低くなります。超音波検査では、甲状腺の血流が増加していないか調べます。
甲状腺ヨード摂取率検査では、放射性ヨード接種率が高いかどうかが判断基準になります。甲状腺ヨード接種率検査は、妊婦さんや授乳中の方、軽度の方には行いません。
治療
バセドウ氏病の治療は、内服による治療、手術、アイソトープ治療の3種類あります。
内服による治療に適しているのは、甲状腺の腫れが小さい、程度が軽い人や妊婦などです。薬を飲むだけなので通院で治療が可能です。薬の副作用が出る場合もあるので頻繁に通院する必要性があります。
副作用の多くはかゆみ、じんましんなどの皮膚疾患のほか、白血球が減少したり、喉がいたくなったりします。
アイソトープ治療は、甲状腺がヨード(ヨウ素)を取りこむ仕組みを利用した治療法で、薬で治りにくい人、副作用が強い人心臓や肝臓の悪い人に向いています。通院治療ができ、内服より早く治療できるところがメリットです。
しかし、アイソトープ療法ができる専門の病院が少ないため病院が限られます。
3つ目は手術です。こちらも内服治療が芳しくなく、副作用が強い人や、甲状腺の腫れが大きい人に向いています。8割の確率で術後内服がいらなくなります。
手術には入院が必要で、術後は傷が残ります。病院をよく選ぶ必要もあります。病院によっては傷が目立たないぐらい回復する場合もあります。医師に相談し、どのような治療法を行うか話し合う事が大切と思います。
まとめ
バセドウ氏病について
バセドウ氏病とは
症状
原因
検査
治療