バセドウ病 の治療の方法は大きく3つあります。それぞれの治療の長所短所や、治療期間の長さやその費用も違います。また人によって治療法の向き不向きもあります。
今回は3つの治療法のうち特に 手術 とその 費用 について説明します。
バセドウ病の手術とその費用
バセドウ病の3つの治療方法
バセドウ病の治療はどの治療法も基本的には甲状腺ホルモンが過剰に分泌されないようにするものです。最もポピュラーな治療法は薬物治療で、患者の約60%が薬物治療を選択します。
薬物治療の長所は年齢に関係なく行えるところなのですが、薬の副作用のリスク、再発リスクが高くまた、治療が長期間に及ぶという側面もあります。
アイソトープ治療は薬の副作用が酷い人や薬物治療で再発してしまった人に効果がある治療法です。薬物治療よりも短期間で効果が出ること、再発がほとんどないこと、患者の負担が少なく済むことが長所としてあげられます。
しかし、治療を受けられる医療施設が限定的であることや、妊娠中や授乳中の人、1~2年以内に妊娠予定のある人は受けることができません。また治療によって甲状腺機能低下のリスクがあります。
手術は甲状腺の腫れが大きい人、年齢の若い人、薬の副作用がある人、短期間で甲状腺機能を落ち着かせたい人に適した治療法です。その効果は高く、手術治療をした人の約80%に治療の効果が見られます。
しかしながら、体にメスを入れるという観点からどうしても手術の傷跡が残りますし、また甲状腺機能低下や手術による合併症リスクもあります。また、体力の落ちた高齢の患者には向きません。
手術による治療の進め方
バセドウ病の手術は、甲状腺の一部を残して切除するというものです。甲状腺が小さくなれば甲状腺ホルモンをつくる力も弱くなるため機能が正常に維持されます。
甲状腺機能が正常になるまで薬物による治療を第一段階として行い、機能の正常化を確認したのちに手術となります。機能が亢進した状態のまま手術を行うと症状が急激の悪化してしまうこうとがあり、そのリスクを回避するためです。
手術、治療の費用
手術治療に適している人は、年齢が若い人(体力のある人)や、他の治療で副作用が出る人、甲状腺腫の大きい人、短期間で完治させたい人、長期の通院が困難な人等です。
手術は入院が必要です。症状や術後の経過にもよりますが概ね1週間前後の入院期間が一般的です。手術費用としては15万~20万円程度というところですが、入院期間の長さや差額ベッド代の有無によって多い人では数十万円ということもあります。
手術治療の長所短所
手術の一番の長所は短期間で確実な効果を得られることです。手術後は約90%の人が薬の服用を中止することができるようになります。薬物治療やアイソトープ治療には副作用が付いて回りますが、手術には副作用の心配がありません。
手術で残った甲状腺から再びバセドウ病が再発することもありますが、ほとんどがごく軽い症状にとどまります。
短所として、入院を要する治療のため、仕事を休むなどの調整が必要なことや費用がかかること、首にメスを入れるので痛みを伴う治療であること、手術後は傷跡が残ること、手術による合併症リスクが考えられることです。
最近では内視鏡手術により傷跡がより目立ちにくい術式も可能になりつつあります。しかしながら、手術に際しては医師の技術を要しますので腕のよい、信頼できる専門医のもとで行うことが大切です。
治療の予後について
手術のための入院は1週間程度であることが一般的です。手術当日はベッド上での安静を要しますが、経過が良好であれば手術翌日には食事も徐々に普通食に戻り、排せつや入浴も自分でできるようになります。
近年では手術技術の向上によって少なくなったものの合併症リスクもあります。主な合併症として嗄声(させい)、喉頭浮腫、テタニー症状がありますがさほど心配することはないようです。手術後は再発する人もまれにいいますが、正常な甲状腺機能が戻る人がほとんどです。
まとめ
バセドウ病の手術とその費用
バセドウ病の3つの治療方法
手術による治療の進め方
手術、治療の費用
手術治療の長所短所
治療の予後について