「最近疲れやすくて動悸もするし精神的にも不安定続きだから更年期障害かも」と自己診断ですませている人はもしかすると バセドウ病 の 初期 症状 のあらわれかもしれません。女性の罹患者が多いとされているバセドウ病は更年期障害との見分けはできるのでしょうか。
見逃さないで!この初期症状はもしかしてバセドウ病?!(前編)
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バセドウ病とは?
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は甲状腺異常の疾患です。甲状腺とは男性の喉仏の下あたりに位置していて、左右が蝶の羽が広がっているような形になっています。
人間は常に新陳代謝を続けることによって、皮膚や骨、内臓などの生まれ変わりや成長が導かれます。甲状腺とはその新陳代謝の促進に大きな役割をもっています。
その他にも自律神経を正常に保ったり、心臓や脳の活動にも関わってくるほど大きな役割があります。甲状腺から排出されるホルモン分泌は多くても少なくても体に異常をもたらせるため、バランスよく分泌されることが重要と言えます。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると発汗や動悸、イラつき、微熱などの初期症状があらわれやすくなります。逆に分泌が少ない場合は倦怠感が出たり、健忘、乾燥肌、脈拍数の低下などの症状が出ます。
通常人間は自己免疫機能があることで外からのウイルスなどの敵をやっつけてくれて侵入を防ぎ細胞組織を正常に保つことで体を守っています。しかしバセドウ病は何らかの原因でその自己免疫機能に対して抗体を作り攻撃してしまい甲状腺ホルモンの分泌が過剰になってしまう疾患です。
日本人では10人に1人は何らかの甲状腺異常に関する疾患を抱えていると言われています。この数は生活習慣病の患者数とほぼ同じと言われているため、それだけ甲状腺異常の疾患は身近なものになってきたということです。
バセドウ病の症状とは?
バセドウ病で一番わかりやすく多くの人が初期に感じている症状としては動悸や頻脈(脈拍数が100回/分以上と異常に多い状態)です。
最初のうちは動悸が起こる頻度は少ないものの徐々に頻度が高まり、共に頻脈が起きて、まるで激しい運動のあとのような状態がしばらく続くという症状がではじめます。
また甲状腺ホルモンの分泌が過剰になることで多臓器の活動が通常よりも活発になることから、やたら汗が出たり、食欲旺盛になるなどの症状も出ます。しかし食事の摂取量が増えても消化自体も早いため体重は減少していくという真逆の状態が発生します。
そしてバセドウ病で最も顕著な症状としては、甲状腺が腫れるという症状です。甲状腺は喉仏の下に位置するため、甲状腺が腫れることで首が太くなるため比較的気づきやすい症状といえます。
またそのほか視覚的な症状として眼球が飛び出る眼球突出があります。眼球突出はバセドウ病患者の約2割から3割程度います。
急激な視力低下や色覚異常、角膜混濁、物が二重にみえるなどの症状があった場合はバセドウ病にともなう眼球突出の初期症状と考えられる可能性が高いため、すぐに医師に相談することをお勧めします。
その場合、眼科のみの受診では正確な診断が下されない可能性もあるため、甲状腺専門医が在籍する内科や眼科への受診をお勧めします。
そのほかのバセドウ病の症状として手指の震えやイラつき、倦怠感などがあります。しかし症状の出方はさまざまのためいずれかの症状が重なった場合はバセドウ病を疑って早めに医師に相談することが良いでしょう。
バセドウ病の治療方法としては数年にも及ぶ抗甲状腺薬の服用、短期間で症状が一時落ち着くものの術後のホルモン療法が必要となる甲状腺の切除手術などがありますが、いずれの場合もバセドウ病は症状が再び出てしまう可能性の高い疾患のため治療においては長い目でみることが必要です。
まとめ
見逃さないで!この初期症状はもしかしてバセドウ病?!(前編)
バセドウ病とは?
バセドウ病の症状とは?