「バセドウ病に負けずにやりたい仕事をする方法(前編)」では、バセドウ病とはどのような病気であり、どのような症状があらわれるのかご紹介しました。後編では、 バセドウ病 との付き合い方、そして 仕事 の面で、どのような理解が必要となるのかご紹介致します。
バセドウ病に負けずにやりたい仕事をする方法(後編)
うまく付き合うための方法
バセドウ病だと診断されたら、薬による治療をすることが最優先になります。しかし、薬の効果が見られるまでの間、また薬を調整するタイミングや生活習慣によっても甲状腺ホルモンの分泌が不安定になり、症状が出てきてしまう可能性があります。
症状の程度や感じ方は人それぞれ違います。症状と上手く付き合うために、まずは自分にどのような症状があるのかを知り、対処法を身につけることが大切です。
例えば、疲労感や倦怠感、脱力感、動悸、息切れといった症状を強く感じるのであれば、それ以上悪化しないように休養します。イライラしたり落着かないときのために、自分がどのようなことをしたら落着けるかという対処法をあらかじめ見つけておきます。
また、普段と違って食べても食べてもお腹がすくといった症状が現れたときに、もしかして甲状腺ホルモンが多くなっているかもしれないと気付き、早めに受診して薬を調節することにより、症状の悪化を防ぐことができます。
そのほか、外見の首周りが気になる場合はストールを巻き、首が目立ちにくい服を選び、目が気になるようであればアイメイクを薄めにし、メガネをかけて目立ちにくくするなど、自分が納得できる手段を身に付けましょう。
また、日常生活での過度のストレスや不規則な生活、新陳代謝を高めるような香辛料やタバコ、お酒などは薬の効果を弱める可能性があり、意識することによって病気と上手く付き合うことができます。
仕事を選ぶ必要はあるのか
バセドウ病は薬によって上手く調整されることで、日常生活への影響はほとんどなくなります。そのため、どのような仕事を選んでも特に問題はありません。
しかし、疲労感や動悸などの症状が出ているときに力を使う仕事をすると、安静時でも身体がエネルギーを使い動悸や息切れがして、体力を消耗している状態に、さらに負荷をかけることになってしまいます。
また、集中力が必要な重要な仕事をしており、集中力が低下して重大なミスを起こしかねないというような場合は、症状が落着くまで休養することが望ましいでしょう。
内服による治療の場合は、甲状腺ホルモンの数値が安定し症状が落着き、本人が仕事できる状態になれば特に制限もなく、基本的には入院や長期休養が必要な病気ではありません。
しかし、薬の効き具合にも個人差があり、症状が強い場合はその症状に対する治療のために入院や休養を必要とすることもあります。また、内服以外の手術療法、放射線療法を行う場合は入院が必要になります。
バセドウ病と上手く付き合い、しっかりと治療を受けながら、症状が出たときには自分なりの対処法を身に付けておくことができれば、仕事を選ぶ必要はありません。
しかし、どのような症状が出る可能性があるのかを知ってもらい、症状が酷いときには休ませてもらえること、治療の方向性によっては入院になる可能性があることを周囲が理解し協力してもらえる職場を選択することは必要です。
理解してもらうことの大切さ
バセドウ病だからといって、周囲の理解が得られる環境であれば、特に仕事を選ぶ必要はありません。しかし、その周囲の人に最も理解しておいてもらいたいのが精神症状です。
本人にその気がなく、それが病気の症状であったとしても、イライラして落着きがなく、突然興奮して怒り出すといった場面に遭遇したら周囲の人もどう接して良いのか迷ってしまいます。
また、集中力や思考力が低下して複雑なことができない、忘れ物が多いなど仕事に支障をきたす場合は、周囲への負担が増え場合によっては関係性が崩れるなど、お互い悪影響になります。
自分におこりやすい精神症状を知り、どのようにしたら落着けるのか、周りにして欲しいことを伝えておくことでお互いに心構えができます。
家族や友人など、自分のことを理解して付き合ってきた人に、精神症状があるときに何を感じ、どのような接し方をしてくれたのか聞いてみるのも良いと思います。
やりたい仕事を長く続けていくためには、理解してもらうだけでなく自ら働きかけることも必要です。
まとめ
バセドウ病に負けずにやりたい仕事をする方法(後編)
うまく付き合うための方法
仕事を選ぶ必要はあるのか
理解してもらうことの大切さ