バセドウ病 患者は男性より女性の方が多く、男性1人に対し女性5人の割合といわれています。女性の中でも特に20代と30代が多く発症し、年代的にバセドウ病と 妊娠 は切っても切り離せない関係にあります。
バセドウ病でも妊娠できるの?
バセドウ病と診断されたけど、将来赤ちゃんが欲しい
妊娠を望むバセドウ病患者の一番の心配は、病気により妊娠の確率が低くなることではないでしょうか。ホルモンが深く関わるバセドウ病は、病気をそのままにしておくと妊娠の可能性は低くなります。しかし治療をきちんとしていれば、健康な女性と同様、妊娠には全く問題ありません。
甲状腺は成長ホルモンを分泌し、新陳代謝を促します。妊娠中は体内の赤ちゃんに必要なホルモンを分泌し、母子共になくてはならない機能を持っています。
しかし女性がバセドウ病を発症すると、攻撃細胞が常に甲状腺を刺激しホルモンバランスが崩れ、月経不順や月経がこなくなることがあります。結果バセドウ病患者は妊娠しにくい身体になってしまうのです。
バセドウ病と診断された場合、まずホルモンの分泌を正常な数値に近付ける治療をします。投薬治療の場合、約数ヶ月で数値は正常に戻ります。妊娠を希望する女性は、月経が正常な周期になったら医師と相談し、妊娠前に徐々に薬を減らしていきます。
これらの流れは決して難しいことではなく、多くのバセドウ病患者の女性が行っています。適切な治療により、健康な女性と同様、妊娠・出産・子育てが可能です。
バセドウ病の治療中なのに妊娠。赤ちゃんは大丈夫?
バセドウ病の治療をしている最中に妊娠した場合、多くの妊婦さんはお腹の赤ちゃんへの影響を心配し、特に薬と赤ちゃんの関係を気にされるのではないでしょうか。
万が一バセドウ病の治療をせず、甲状腺のホルモンの分泌が異常なまま妊娠した場合には、早産・流産のリスクが発生します。また母体への影響も大きく、妊娠できない身体になってしまうこともあるので、妊娠中でも甲状腺の数値を安定させるのはとても重要なことになります。妊娠したからといって、薬を気にし勝手にバセドウ病の治療をストップするのは、母子ともに大変危険なことになります。
バセドウ病に使用される薬剤は肢体に不自由を起こす薬がないといわれ、飲んだことによってお腹の赤ちゃんの身体に大きな悪影響を及ぼすのはまず考えられません。特別な例としてバセドウ病の薬の中にはメルカゾール(チアマゾール)というのがあり、四肢に不自由のある胎児が生まれた報告があります。しかしこれは一般的にあまり処方されない薬で、特に妊婦さんに出されることはありません。医師は妊娠中の患者さんには胎児の影響を考え最も安全な薬を処方しますので、バセドウ病だからといって投薬に不安になることはありません。
妊娠中にバセドウ病になってしてしまった!どうして?
女性は妊娠中にホルモンのバランスが大きく変化します。実はそのホルモンの関係で、妊娠をきっかけにバセドウ病を発症することがよくあります。
妊娠中は一般的に抗体が低くなりますが、バセドウ病の場合は甲状腺が常に刺激され、数値は高いままになります。そしてその状態が胎内の赤ちゃんに影響し、赤ちゃんの甲状腺も刺激されてしまいます。しかしきちんと治療することにより、多くの場合赤ちゃんへの刺激も一ヶ月程で消えてしまいます。その一ヶ月は経過観察を必要としますが、バセドウ病が胎児の大きな問題につながることはないでしょう。
出産したら、バセドウ病が悪化した
バセドウ病患者が出産したのち、数ヶ月は安定していたものの、その後病状が悪化する事も少なくありません。出産と同様、ホルモンの変化が大きな時期はバセドウ病にも関係します。授乳中の投薬治療を不安に思う方もいると思いますが、母乳を通して赤ちゃんに悪影響を及ぼす薬は処方されないので、安心して治療を行ってください。一般的に2ヶ月程で状態は良くなります。子育てはとても体力を必要としますので、赤ちゃんのためにも治療を積極的に進めましょう。
バセドウ病だからといって抱えるリスクは、一般の妊婦さんと変わりありません。不安に思う事が一番お腹の赤ちゃんには悪影響ですので、何より大切なのは信頼のできる医師と常に連携し、治療と経過観察をきちんと行いましょう。
まとめ
バセドウ病でも妊娠できるの?
バセドウ病と診断されたけど、将来赤ちゃんが欲しい
バセドウ病の治療中なのに妊娠。赤ちゃんは大丈夫?
妊娠中にバセドウ病になってしてしまった!どうして?
出産したら、バセドウ病が悪化した