最近よくTVなどで耳にする バセドウ病 ですが、その患者の多くは女性と言われています。特に20歳から40歳代に多く発生し、男女比は1:3です。バセドウ病は、自己免疫の異常で血中に存在する甲状腺に対する自己抗体が甲状腺を刺激し、働きが活発になりすぎて甲状腺が腫れ、大量の甲状腺のホルモンを産生、分泌されてしまうことから起こるもので、疲労感、動機や息切れなどがみられるようになってきます。
なぜ甲状腺の働きが活発になるのかという原因はあきらかにはなっていませんが、甲状腺の病気は遺伝で生じることも多いので、遺伝的素因が関係している可能性もあります。
女性がなりやすい病気、バセドウ病について
バセドウ病の診断
バセドウ病には代表的な3主徴があります。甲状腺腫、頻脈および眼球突出です。バセドウ病の疑いがあればまず血中ホルモンを測定しますが、なかには日常生活において甲状腺の腫れ、首のあたりに違和感を訴える人や、鏡で眼をみたときに、眼の様子がいつもとちがうということで病院へ受診し、検査によって発病していることが分かる人もいます。眼の診断については、眼窩専用のCT検査やMR検査をおこない診察します。
バセドウ病の治療について
バセドウ病の治療の方法としては、抗甲状腺薬治療、手術、放射性ヨード治療の3種類があります。
抗甲状腺薬は甲状腺ホルモンの合成を抑える効果があるお薬です。この薬を使用するとだいたい4週間ほどで甲状腺ホルモンの数値が下がってきて2ヶ月ぐらいすると正常の値までになり自覚症状もなくなります。しかし、一回の服用だけでは一時的に症状がなくなっただけでいつ再発するのか分からないため抗甲状腺薬をしばらくは飲み続けないといけません。症状が軽い場合に、抗甲状腺薬治療をおこなうことが多いです。
抗甲状腺薬を飲み続けても原因であるTRAbが陰性にならない場合または再発してしまった場合は、手術を行い、甲状腺を切除する方法をおこなっている人もいます。あるいは、放射性ヨード治療といって甲状腺を壊すことで改善する治療方法を選ぶ人もいます。この放射性ヨード治療は必ずしも全員が受けられるわけではなく、妊娠中の人、授乳婦の人は受けることが出来ません。また、甲状腺の大きさや年齢によって各治療法を行うことが難しい場合もありますので、医師と相談して治療方針を決定していくことが大切です。
予後について
この病気は、きちんと治療を行い改善されれば最悪の事態にはなることはまずありません。しかし、治療もせずにそのまま放置しておくと、心臓疾患が生じる等、死に至るケーるもあります。適切な治療をきちんと受けることが大切です。
甲状腺の病気であるパセドウ病は、ストレスをためこんでしまうことで甲状腺機能を悪くし、結果として発病する場合もあります。ストレス解消に役立つ趣味などを楽しむことも良いですし、また趣味がないという人でも、何かしら気持ちが明るくなる、リラックス出来る、というものを見つけることは、心の充実だけでなく、発病の予防にもつながります。
また、一度発症してしまったら、薬をきちんと飲み続けること、そして定期検診をうけるようにしましょう。医者から食事面でもアドバイスをされる人もいます。わかめや昆布などのヨードの多い食品をとりすぎないことや、偏食をしないこと等、日常生活でも規則正しい生活をすることで病気の改善や再発を予防することができます。眼球突出の症状が出ている場合、それによって視力が低下する人もいます。そういった人は特に、自宅や外出先での転倒などの事故には注意をしていきましょう。
バセドウ病は、いつだれがなってもおかしくない病気です。少しでも体に違和感を感じたならば、病院へ受診することをおすすめします。
まとめ
女性がなりやすい病気、バセドウ病について
バセドウ病の診断
バセドウ病の治療について
予後について