一日の仕事を終えて帰宅しようとすると通勤時に履いてきた靴やブーツが入らなくて困ってしまってという経験のある方は数多いのではないでしょうか。女性に多い足のむくみには思わぬ病気が潜んでいることもあると言います。
足のむくみの原因 についてご紹介いたします。
思わぬ病気が潜んでいる可能性がある足のむくみの原因とは
むくみとは
人間の体内の水分の3分の2程度は細胞間質液という細胞の中の水分だと言われています。細胞間質液は血液の成分として全身に栄養素を運び、運び終えると再び血液の中に戻るということを繰り返しています。
ところが何らかの理由でうまく血液中に戻れないことがあり、それがむくみという状態になってあらわれるのです。
むくみは医学用語では浮腫と呼ばれていて「皮下組織に水が溜まった状態」と定義づけられています。足などがむくんでいる時に指で押した痕がなかなか元の状態に戻らないような場合、正常な体重の5~10パーセントの水分が滞っていると考えられると言います。
日常生活でよくある足のむくみ
「ふくらはぎは第2の心臓である」という言葉を耳にされたことはないでしょうか。ご存知のように心臓はポンプのような働きをして全身に血液を行き渡らせる大切な臓器です。
ふくらはぎが第2の心臓と言われるのは、ふくらはぎの筋肉が収縮することで心臓と同じようにポンプのような働きをして血管を圧迫してうっ血した血液やリンパ液を流すからなのです。
長時間立ちっぱなしだったり、デスクワークで同じ姿勢で座り続けるなどして筋肉を使わないでいると疲労物質が溜まり足の筋肉が硬くなって静脈が滞り、むくみとなってしまうのです。
足は心臓から遠いので足の静脈の滞りは重力の影響を受けやすく、心臓まで血液を送り返すには影響を受ける重力が大きい分だけ大きな力を要するということが言えます。
筋力が低下してふくらはぎのポンプ機能がうまく働かなくなると体の末端部分の毛細血管の血流が悪くなって冷えの症状が起こってきます。
この状態ですでに体の老廃物が溜まってむくみの原因になっているわけですが、冷えが血液の循環を悪くするのでさらにむくみを加速するという悪循環に陥ってしまうこともあります。
むくみの原因と言うとどうしても水分の摂り過ぎをイメージしてしまいますが、実は水分より塩分の摂り過ぎこそ要注意なのです。塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度が上がるために血管は余分な水分を取り込んでしまうことこそがむくみの原因になるのです。
長時間同じ姿勢でいる・塩分や水分、アルコールなどの摂り過ぎ・冷えなどが原因のむくみは一過性のものです。女性は男性より筋肉量が少なくて代謝が低いために冷え性になりやすいので血行の悪い方も多く、男性に比べてむくみやすいと言えるでしょう。
血管性の足のむくみ
静脈還流障害とは下肢静脈の血流が滞ることで静脈圧が上昇してしまって静脈弁がうまく機能しなくなる病気です。静脈内の血液が逆流してしまうために血液中の水分があふれでてむくみとなってしまうのです。
放置すると下肢静脈瘤や皮膚色素沈着などに悪化してしまうことがあります。さらに悪化すると皮膚が破れて静脈性皮膚潰瘍になるようなこともありますので、早めの専門医受診をお勧めします。
他の病気が原因の足のむくみ
体内の水分量を調節したり、老廃物を尿として排出したりする腎臓に何らかの問題があると足のみならず全身がむくむことがあります。
特に血液をろ過する糸球体の網の目が詰まってしまうと老廃物が十分に排出できない状態になってしまいます。ネフローゼ症候群などがよく知られています。
甲状腺機能低下症は女性に多い病気です。甲状腺は新陳代謝を促すホルモンを分泌する器官で、その機能が低下すると脱力感やだるさ、冷えを感じるなどと共にむくみが生じることがあります。
肝臓の機能が低下すると血液中の水分を留めておくアルブミンというたんぱく質をうまく合成できなくなってしまいます。そうすると腎機能が低下した場合と同じように血液中のたんぱく質が低下するのでむくみを引き起こしてしまうのです。愛飲家の方は要注意です。
他にも心臓の機能が低下した場合や愛煙家に多い肺機種という病気でもむくみが生じる可能性があります。
運動やマッサージなどのケアもしているにもかかわらずむくみが長引くようであれば、かかりつけ医に相談することをお勧めいたします。
まとめ
思わぬ病気が潜んでいる可能性がある足のむくみの原因とは
むくみとは
日常生活でよくある足のむくみ
血管性の足のむくみ
他の病気が原因の足のむくみ