仕事の付き合いやストレス発散など、お酒を口にする機会が多くあります。しかし、お酒は少量であれば、時に薬としての効果もありますが、長期にわたる多量の飲酒はお酒の成分であるアルコールが体に悪影響を与え、さまざまな病気の引き金になります。
また、アルコールには依存性があり、自ら抜け出すことのできない アルコール依存症 に陥る危険もあります。
上手なお酒の飲み方がアルコール依存症と病気を防ぐ(前編)
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依存は脳と行動の病気
私たちは、生活のさまざまな場面において、快感や満足感、高揚感を得る機会があります。たとえば、甘いものを食べて幸せな気持ちになったり、欲しいものを買えたときには嬉しさや満足を感じます。
しかし、その行為をいつまでも続けられないことや、我慢しなければならないことを理解しており、自分自身の欲求を抑えることができます。
しかし、その欲求を抑えることができず、同様の快感や満足感を得るために同じ行為を繰り返してしまい、やめなければならないと頭ではわかっていても、自分の意思でその行動を断ち切ったり、抑制するなど自ら自分の置かれている状態から抜け出すことができなくなります。
このように、それなしでは生きていくこともできないほど求めてしまう状態を依存状態といい、精神医学では依存症という病気として分類されます。
脳が善悪を理解していても、体がまた快感や満足感などを得たいという欲求を抑えきれずに行動してしまうことから、依存症は脳と行動の病気といわれることもあります。
アルコールと脳内物質
お酒を飲むと、気分がよくなり楽しくなったり、疲れやストレスから開放された感覚になります。これはお酒に含まれるアルコール成分が脳に作用しているのです。
アルコールは、脳の感情や行動に関わる部位を刺激することにより、ドーパミンという脳の神経伝達物質の分泌を促すといわれています。このドーパミンは幸せホルモンと呼ばれることもあり、喜びや達成感を味わったときに分泌されます。
しかし、ドーパミンによる興奮状態が過剰になってはいけません。そのため、セロトニンという物質がドーパミンの作用を抑え、一定の興奮状態を保っています。アルコールはこのセロトニンの分泌を促す作用も持ち合わせています。
これらの、アルコールと脳内物質の作用により、私たちは快感や開放感を得ることができます。
まとめ
上手なお酒の飲み方がアルコール依存症と病気を防ぐ(前編)
依存は脳と行動の病気
アルコールと脳内物質