悪性腫瘍 は現在死因の第1位となっていますが、その悪性腫瘍には様々な種類があります。悪性腫瘍と聞くと死をイメージしがちですが、早期発見により最悪の状況を回避できる場合があります。まずは一言で悪性腫瘍と呼ばれているものがいったいどんなものなのかを理解してもらえたらと思います。
悪性腫瘍ってそもそもなに(前編)?
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悪性腫瘍とは
そもそも「腫瘍」というのは細胞の新陳代謝が正常に行われずに細胞分裂をして増加した細胞の塊を言います。その「腫瘍」には良性腫瘍と悪性腫瘍の2つが存在します。
良性腫瘍は通常、その場でゆっくりと膨れ上がり周りに広がっていくことはありません。そして多くの場合、体に悪影響を及ぼすことはなく通常切除してしまえば再発することはありません。
ただし、良性腫瘍のできた臓器が生命に重要な役割を担っているような場合、例えば脳腫瘍などは状況により死に至ることもあります。
そして、問題の悪性腫瘍ですがこちらはその名の通り体に悪影響を及ぼし、最悪の場合、人を死に至らしめるような腫瘍になります。この悪性腫瘍はその場のみに留まらず、周囲の細胞までも巻き込み範囲を広げていきます。
また、血液やリンパの流れにのって、あるいは膜を破壊して直接ほかの臓器にまで腫瘍を広げることがあります。これが「浸潤」と「転移」です。悪性腫瘍の広がりのスピードは比較的速いため早期発見が非常に重要なカギとなってきます。
悪性腫瘍の分類と特徴
一言に悪性腫瘍といっても、発生する場所によって呼び方が異なります。「がん」は悪性腫瘍の総称を表し「がん」=「悪性腫瘍」となり、厳密には「がん」と「癌」は異なるものをさします。
しかし、悪性腫瘍の発生頻度として「癌」が多くあるため「悪性腫瘍」=「癌」と言い表されることがほとんどです。
また、悪性腫瘍は「固形がん」と「液性がん」という2種類に分類されます。さらに「上皮性」と「非上皮性」の2種類に分類されます。
癌
体や臓器の表面を覆っている組織のことを上皮組織と呼び、そこにできた悪性腫瘍のことを指します。すなわち「癌」は「上皮性」の悪性腫瘍ということになります。
また、上皮組織上に腫瘍細胞の塊ができることから「固形がん」となります。たとえば、食道癌、子宮頸癌、肺癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、子宮体癌、乳癌、前立腺癌などです。
肉腫
表皮の下に存在している骨や筋肉、脂肪などにできた悪性腫瘍のことを指します。これは「非上皮性」の悪性腫瘍に分類されます。
また肉腫も癌と同様に腫瘍細胞の塊からなるため「固形がん」になります。悪性腫瘍全体のうち肉腫が占める割合は約1%程度です。
たとえば、悪性線維性肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、神経肉腫などです。
液性がん
これは癌や肉腫と異なり、塊として大きくならない液性の悪性腫瘍で主に血管やリンパ管などにできるものを指します。これをあえて分るするのであれば「非上皮性」となります。
たとえば、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などです。
後編では、悪性腫瘍の治療法や乳がんについてご紹介します。
まとめ
悪性腫瘍ってそもそもなに(前篇)?
悪性腫瘍とは
悪性腫瘍の分類と特徴