転移 - 女性の病気いろは

リンパ節への転移が乳癌の生存率を低下させる（後編）

「リンパ節への転移が乳癌の生存率を低下させる（前編）」では、乳癌の転移や生存率についてご説明いたしました。後編では、なぜ癌は若いと進行が早いといわれるのか、また早期発見の重要性についてご説明いたします。

乳癌は リンパ節 への転移がみられない状態でしたら 生存率 の高い疾患でもあります。

癌は日本人の死因第１位であり、乳癌は女性の死因の第４位となっています。また、女性が発症する癌の中で最も多いのも乳癌なのです。

比較的進行が緩やかだとされる乳癌ですが、発見されたときの進行度によって生存率は大きく異なります。特に腋窩リンパ節だけでなく他の リンパ節 への転移がみられた場合は、全身へ転移する可能性が高まり、 生存率 も急激に低下してしまいます。

卵巣癌は、別名「サイレントキラー」と言われるほど自覚症状がほとんどないため、全身に癌細胞が散らばっている進行癌の状態で見つかることが少なくありません。

今回は、そんな 卵巣癌 の転移について詳しくお話しします。

女性特有の病気である子宮癌は子宮頸癌と子宮体癌に分けられます。子宮頸癌は子宮頸部という子宮の入り口に発生する癌のため、検診や診察で発見されやすく早期発見ができれば比較的予後良好の癌です。また、最近では子宮頸癌ワクチンによる予防もできるようになりました。

一方、 子宮体癌 は子宮体癌検診を受けないと発見されないことが多く、発見されたときには既に他の臓器に転移してしまっている場合も少なくありません。

女性の癌患者の中で最も多いのが乳癌だといわれていますが、最初の乳癌に対する初期治療を行った後、他の臓器に癌の症状が出てくることを転移といいます。

乳癌の癌細胞は小さい時から乳腺細胞からリンパや血液の流れに沿って肺や肝臓、骨などの臓器に転移巣を形作るといわれています。