三半規管は体の平衡感覚をつかさどる器官のひとつですが、詳しい仕組みや異常があった場合にどのような病気になるのかということなど、はっきりとわからないことが多いものではないでしょうか。
三半規管 の 病気 についてご紹介いたします。
三半規管の仕組みから知る主な3つの病気とは
三半規管とは
三半規管とは平衡感覚をつかさどる器官で内耳の前庭という部分に繋がっている半円形をした3つのチューブ状の半規管の総称です。
3つの半規管はそれぞれ、前半規管・後半規管・外半規管と呼ばれていて、それぞれがおおよそ90度の角度で傾いています。その結果、あらゆる三次元的な回転運動を感知できる仕組みになっています。
半規管の外側は骨で、すぐ内側に膜があり、その内部はリンパ液で満たされています。頭部が回転すると当然三半規管も回転しますが、三半規管の内部に入っているリンパ液は慣性によって取り残されて、三半規管の中をリンパ液が流れることになります。
リンパ液が流れると三半規管の中の有毛細胞が刺激を受けて、前庭神経から脳にその刺激が伝わって回転を感知するという仕組みになっています。
三半規管の病気
回転性のめまいは稀に脳に原因のあることもありますが、そのほとんどが三半規管が発生場所であると考えられます。
メニエール病
メニエール病は三半規管の中のリンパ液が増えることが原因で起こるとされています。リンパ液が過剰に生産されるのは自律神経失調症・ホルモンの分泌異常・ウイルス感染・内耳への血行障害などが原因となると考えらています。
また、リンパ液の吸収の阻害は血行障害・リンパ液の循環障害・リンパ嚢の発育不全などが原因になると考えられています。
多くの場合、メニエール病の原因は自律神経のバランスが崩れ、免疫力が下がるために炎症を起こしやすくなり、血行が悪くなるといったことが原因になっているようです。
内耳炎・前庭神経炎
三半規管から脳に体の位置感覚を伝える前庭神経も内耳もウイルス感染や自律神経失調症によって炎症を起こすことがあります。
内耳炎や前庭神経炎は炎症によって水が溜まる病気だと考えると非常にわかりやすいものです。水が溜まると、メニエール病によってリンパ液が増えすぎてしまって起こるのと同様な不都合が生じるのです。
炎症を起こすウイルスの多くは、ヘルペスウイルスであると言われています。
ご存知のように多くの方はすでにヘルペスウイルスに感染していますが、自律神経のバランスを崩すことをきっかけにして免疫力が低下してヘルペスウイルスによる炎症が生じると考えられています。
良性発作性頭位めまい症
回転性のめまいの中で良性発作性髄めまい症は上述の2つの病気と明らかに原因が違います。この病気は三半規管のリンパ液の中に耳石というカルシュウムが混入してしまうことが原因となって起こるのです。
上述したように三半規管の中はリンパ液で満たされていますが、その中に耳石が混入することで、リンパ液の流れが変わったり、耳石の移動をリンパ液の移動だと間違って判断してしまうことでめまいが生じるのです。
良性発作性頭位めまい症によるめまいは60秒を超えることはなく、耳鳴りや手足のしびれなどの神経症状を伴わないのが特徴です。
三半規管の鍛え方
三半規管を鍛えることでめまいなどの病的な症状を緩和することの他に乗り物酔いを防いだり、3D映像を楽しんだりすることができるようになる可能性があります。
簡単なエクササイズとして後ろ向きに歩くことや眼を閉じて片足立ちをすることなどがお勧めです。また、肩や首のコリが三半規管への血行不良の原因になることもありますので、コリの解消に努めましょう。
昨今、長時間のパソコンやスマートフォンの使用が肩や首のコリの原因になっていることが話題になっています。生活習慣を見直してみることも必要かもしれません。
まとめ
三半規管の仕組みから知る主な3つの病気とは
三半規管とは
三半規管の病気
三半規管の鍛え方