抑うつ状態が続いてうつ病かもしれないと考えた時やすでにうつ病の診断を受けている方が病状を判断したい時に、どのようにして症状をチェックすればよいのでしょうか。
さまざまな うつ病 の 症状 チェック の方法をご紹介いたします。
うつ病の症状チェックリストを活用して早期治療を!
簡易抑うつ症状尺度とは
簡易抑うつ症状尺度は16項目の質問に自己記入することで、うつ病の重症度が測れるものです。世界的に有名な精神科医であるJohn Rushによって開発されたもので、アメリカ精神医学会の診断基準の中核的なうつ病の診断基準に対応しているという特色があります。
1~4項目は睡眠関係、6~9項目は食欲と体重関係、15と16項目は精神運動状態関係の質問で、それぞれの最も点数の高いものを一つだけ選んで点数化します。
それ以外の5、10、11、12、13、14項目はそれぞれの点数を書き出します。9項目の合計点でうつ病の重症度を評価することになっています。
うつ病の評価に使えるだけでなく、合計点の推移をみることで病状の変化をみるためにも有用だとされています。この簡易抑うつ症状尺度で6点以上の場合、うつ病の可能性があると言われています。
ベックうつ病調査テストとは
アメリカの精神科医Aaron・T・Beck博士によって考案されたベックうつ病調査テストはアメリカ精神医学会や世界保健機構が出しているチェックリストよりも簡易でわかりやすいものとして知られています。
21項目の設問に重症度によって0~3点の4段階で答えて合計点を出して抑うつの度合いを測るものです。
21の項目は、「憂うつ」・「将来への悲観」・「失敗」・「満足」・「罪の意識」・「罰の意識」・「自分に対しての失望」・「自責の念」・「自殺願望」・「泣く頻度」・「イライラ」・「他人への関心」・「判断の速度」・「自分の魅力」・「億劫度」・「睡眠」・「疲労感」・「食欲」・「体重変動」・「身体的な健康状況」・「性欲」となっています。
総得点が1~10点の正常範囲とみなされる落ち込みから、41点以上の極度のうつ状態と考えられる状態まで6段階にわかれた結果がしめされます。このチェックで17点以上の場合には専門医の受診が勧められます。
女性特有のうつ病チェック
女性のうつ病は女性ホルモンの分泌量の変動が大きく影響して発症する場合があります。マタニティーブルーと呼ばれる産褥期うつ病や更年期障害などでうつ病が引き起こされることがあることはよくご存じでしょう。
その他にも月経前症候群では排卵後から月経終了までの期間に腰痛や下腹部痛などの身体的な不調に加えてイライラや憂うつ感などの精神的な症状があらわれる場合があります。
さらに重症になって月経前不機嫌性障害という状態になると精神的な症状がより強くなり、強い抑うつ感を感じることがあります。この抑うつ感からうつ病を発症するというような場合もあります。
毎日の生活の中で自分自身の心の状態をセルフチェックする項目を知っておくこともうつ病を予防するために有効です。
①一日中抑うつ気分が続く②仕事や家事、子育てが面倒で喜びもわかない③食欲の増進や減退④不眠や仮眠⑤落ち着きがなく、イライラする⑥疲労感の有無⑦自己肯定感の有無⑧決断力や集中力の有無⑨自殺願望の有無など9項目の中で5つ以上が毎日のように続くようであれば、うつ病の可能性があると言います。
女性の社会進出が進み、家庭と仕事の両立や育児と介護のダブルケアなど女性を取り巻く環境はますますストレス度の高いものとなってきています。
女性はそれぞれの年代で抱える問題もさまざまである上に女性ホルモンの分泌量の変化がうつ病のひとつの原因になる可能性があることを心に留めておくとよいでしょう。
うつ病チェックリストの活用法
うつ病は専門医でも診断の難しい病気です。そのために1回の問診で確定診断を下すことをせず、問診を重ねていくのが普通だとされています。
ご紹介したものだけではなく、さまざまなうつ病のチェックリストが存在しますが、セルフチェックで安心してしまうことも過度に心配することも賢明ではありません。
心配なことがあれば、必ず専門医を受診するようにしましょう。その際、セルフチェックの結果を持参すると診断の助けになることでしょう。
まとめ
うつ病の症状チェックリストを活用して早期治療を!
簡易抑うつ症状尺度とは
ベックうつ病調査テストとは
女性特有のうつ病チェック
うつ病チェックリストの活用法