体重減少 の原因は大きく分けて食事によるエネルギー摂取量の減少、エネルギー量の増加、エネルギーとなる栄養分の吸収不良の3つです。特に若い女性の多くは、ダイエットのためにあえて原因をつくって体重を減らそうとします。
しかし、間違ったダイエット方法で体調を崩したり、体重減少が何らかの病気の症状である場合もあります。
体重減少が与える身体への影響
食事量を減らすダイエットの落とし穴
食事量を減らすと必然的に脂肪や筋肉量が減るため、体重を減らすには近道かもしれません。しかし、必要な栄養分まで不足すると身体にとって様々な悪影響が現れます。
私たちの身体の様々な器官が、正常に機能するためには、食事から得られる栄養素が大変重要となります。栄養の偏った食事を長期間続けていたり、やせることの喜びを得ることでダイエットから抜け出せなくなり拒食症を発症してしまう場合もあります。
そして健康のために必要な体重を維持することもできなくなり、拒食症においては不整脈を起こして命まで危険な状態に陥る可能性もあります。
また、食事量を減らして行うダイエットは脂肪を燃焼させる筋肉の量まで減ってしまい、通常の食生活に戻すことで身体は元の体系に戻ってしまいます。身体にとってやさしい健康的なダイエット方法は代謝をよくすることです。
体重減少を起こす疾患
意図的に体重を減らしたのではなく、1年で10%以上、半年で5%以上、また標準体重よりも20%以上の体重減少が見られる場合は何らかの疾患が隠れている可能性があります。
体重減少が見られる代表的な疾患には、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの内分泌異常、胃や大腸の障害、がん、ストレスやうつ病などの精神疾患があります。このような疾患の症状として現れる体重減少は、それ以外にも疾患に伴う症状が見られる場合が多くあります。
その場合、まずは疾患の治療が優先となります。疾患によっては命に関わることもあるため、体重減少を病気のシグナルとして受け取り、早期発見、早期治療を行えるよう常に自分の体重を意識することが大切です。
心身共に健康な状態を維持する体重
極度の体重減少を起こさず、また疾患を早期発見するためにも自分の適正体重を把握しておくことが大切です。適正体重というのは、適正体重=身長(m)×身長(m)×22で求められる体重です。
また現在の自分の体重から肥満度を判断するためにはBMIを用います。これはBMI=体重÷身長(m)×身長(m)で求められた値によって評価され、適正体重の求め方から分かるように22がBMIの標準になります。
このように自分の適正体重とBMIを把握し、適切な体重管理を行うことが同時に健康管理にもつながります。
女性の身体への影響
体重は身体に与える影響も大きいだけでなく、病気のシグナルでもあります。そのほか、特に女性の場合は体重減少が妊娠、出産にも影響を及ぼします。
体重減少により身体の機能が低下すると、卵巣機能の低下や女性ホルモンの乱れ、低体温などの症状が現れることにより妊娠しにくい体質になり、妊娠できても流産してしまう可能性もあります。
また、妊娠中の食生活の乱れは胎児に十分な栄養が届かなかったり、栄養が過剰になることなどが原因となり、胎児の成長を妨げたり、先天性疾患を抱えてしまう危険性もあります。
妊娠、出産以外でも女性にとって重要な女性ホルモンの乱れは様々な辛い症状を招く原因になります。
最近は若い女性の間で、痩せることに対する意識が高まっている傾向がありますが、まずはライフプランを考え、妊娠、出産を望むのであれば、健康的な身体づくりを第一に考えることが大切です。
日常生活で気をつけること
体重減少が身体に与える様々な影響を知り、健康のための体重管理をすることが大切です。規則正しい生活とバランスのとれた食事、適度な運動を取り入れた生活を心掛けましょう。
そして、そのような生活をしているにも関わらず異常な体重減少が見られたり、たくさん食べているにも関わらず体重が減少する、他にも症状があるという場合は、早めに専門の医療機関を受診してその原因となる疾患の治療をしましょう。
体重は生活習慣を見直すことで、自己管理ができます。そして、様々な疾患を早期発見できるだけでなく予防することもできるのです。
まとめ
体重減少が与える身体への影響
食事量を減らすダイエットの落とし穴
体重減少を起こす疾患
心身共に健康な状態を維持する体重
女性の身体への影響
日常生活で気をつけること