「実は若い世代こそ心筋梗塞に注意すべき原因が潜んでいる?!(前編)」では、心筋梗塞がどのような疾患であるのかご説明いたしました。後編では、なぜ現代では 若い 世代に 心筋梗塞 が増加しているのか、その 原因 をご説明いたします。
実は若い世代こそ心筋梗塞に注意すべき原因が潜んでいる?!(後編)
心疾患の死亡数が2位?!特に女性の死亡数が多い?!
厚生労働省が全ての年齢を含めた死因別の死亡数の順位を10位までまとめていて、中には肺炎、脳血管疾患、悪性新生物、腎不全、心疾患、老衰、不慮の事故、大動脈瘤および解離、慢性閉塞性肺疾患、自殺が入っています。
死亡数1位の死因は悪性新生物、いわゆる悪性腫瘍やがんといった疾患で、平成26年では悪性新生物の総死亡数(人口10万人に対して)が368,103人(男:218,397人、女:149,706人)でした。平成27年では総死亡数:370,346人(男:219,508人、女:150,838人)となっています。
この数字はそのほかの10位までに入った疾患と比較しても死亡数が突出しています。しかしその中でも平成26年、27年共に死亡数2位という結果を出したものが心筋梗塞を含む心疾患です。
心疾患とは心臓に関する病気の総称で、狭心症、心不全、動脈瘤、心筋症、心臓病、心筋梗塞、不整脈、心臓肥大などを含みます。
平成26年では心疾患の総死亡数(人口10万人に対して)が196,925人で、男女別では男:92,278人、女:104,647人でした。平成27年では総死亡数:196,113人で、男:92,142人、女:103,971人となっています。心疾患ではいずれの年も女性の方が死亡数が多い結果となっています。
心筋梗塞をはじめとした心疾患は男性のほうが多いと思われていました。たしかに心筋梗塞において言えば発症数は男性のほうが多いものの、女性の方が発見や受診が遅れて死亡につながってしまう数が多いという結果が出ているのです。これには何か特別な原因があるのでしょうか。
女性ホルモンの影響で、心筋梗塞の代表的な症状でもある胸痛が男性と比べて女性は感じにくいということがあると考えられています。
また痛みを感じても、女性は毎月生理があって人によってはひどい腹痛や微熱、倦怠感などの生理痛を頻繁に経験しているため、痛みに対して緊急性を感じなかったり我慢したりする傾向にあるようです。
そのため症状が出てから病院を受診するまでの時間も男性よりもかなり遅くなってしまうために死亡するリスクも高くなってしまうということにつながってしまうのです。
そして女性の死亡数の増加だけでなく、心筋梗塞の罹患者には若い人たちが増えているということです。何か理由があるのでしょうか。
若い人たちも心筋梗塞に?!何が原因?
心筋梗塞罹患者の多くは中年から高齢の人たちと考えられていましたが、若年性心筋梗塞という病名があるように近年、30歳代から40歳代の人たちにとっても非常に気に掛けるべき病の一つとなってきたのです。ではなぜ若い世代での心筋梗塞の発症が多くなってきたのでしょうか。
根本的な原因は高齢者の発症原因と変わらないものの、若い世代の人たちは中年、高齢世代と比べダイエットを繰り返したり、野菜や魚を極端に嫌い、お菓子だけで食事を済ませるなどかなりの偏食傾向にある人たちの増加がみられます。
この食生活は高脂質、塩分過多、栄養の摂取バランスが悪く体に悪影響を与えます。
そして中年、高齢世代は少しでも体を動かそうとランニングやウォーキング人口も増えていますが、一方で若い世代は1日中ゲームをして過ごすなど、全く運動をしないインドア派の増加で運動不足の心配もあります。これは肥満にもつながります。
また現代は学生の頃から就職活動を終えて就職してからもずっと競争や生き残りといったストレス社会に浸かった生活の中で極度の精神的苦痛を感じ続けています。ストレスは血圧の起伏が激しくなり動脈硬化を進める原因にもなります。
このほかにも喫煙やアルコール摂取、家族の遺伝なども大きな原因となります。これは心筋梗塞だけに言えるものではなく、さまざまな疾患の原因ともなるものです。いずれも節度を守りストレスをためない生活をおくることを心掛けるようにしましょう。
そして若いからこそ少なくとも1年に1度は健康診断を受けて自身の体の状態に常に気を配るようにしましょう。
まとめ
実は若い世代こそ心筋梗塞に注意すべき原因が潜んでいる?!(後編)
心疾患の死亡数が2位?!特に女性の死亡数が多い?!
若い人たちも心筋梗塞に?!何が原因?