子宮筋腫 と診断される方のうち、 手術 が必要な方は全体の5%程度といわれています。その際の 入院期間 は、お腹を切って行う手術か、お腹を切らずに内視鏡を使って行う手術を選択するかによっても多少変わってきます。
子宮筋腫手術で必要な入院期間
子宮筋腫の手術にはどのような種類があるか
子宮筋腫の手術方法は大きく分けて2つの方法があります。お腹を切って行う手術がひとつ。もうひとつはお腹を切らずに内視鏡を使って行う手術です。
さらにそれぞれ、子宮を全摘出する術式と筋腫核のみ取り除く術式に分けることができます。もちろんそれぞれメリットやデメリットがあり、これが最も良いと言いきれるものはありません。
患者本人の希望を最優先にしながら筋腫の状態やできている部位、将来の妊娠希望の可能性等をトータルに判断し、手術方法の選択がされます。
開腹手術のメリット・デメリットと入院期間
開腹手術とは、お腹を切って行う手術です。以前は子宮筋腫の手術は開腹するのが一般的でしたが、最近は内視鏡による手術も普及してきており患者の選択肢が広がっています。
開腹手術については、直接お腹の状態を確認できることや、術者の視野が広く確保できることから安全性の高い術式であることが最大のメリットです。その他として、癒着への対応がスムーズにできる、手術時間が比較的短時間(1~1.5時間)で終わる、出血が比較的少なめであることが挙げられます。
デメリットとしては、術後の痛みが他の術式と比較して強めであること、痛みの期間も長いこと、入院期間が平均10~14日間程度と、長めであることが言えます。
開腹手術の各術式のメリット・デメリット
開腹手術の方法として横に切るか、縦に切るかがあります。横に切る場合は縦に切る場合よりも相対的に視野が狭まりますのであまり大きな筋腫の手術の場合にはあまりお勧めできません。また、術後の痛みについても縦に切った場合よりもやや強い痛みが残りがちです。
傷跡については横に切った時の方が縦に切った時よりは目立ちにくいのが特徴です。筋腫核のみの摘出か、子宮全摘かの術式による入院期間の差はでにくく、経過が良好で抜糸が済めば退院のち、経過観察のための通院治療に切り替えられます。
内視鏡手術のメリット・デメリットと入院期間
内視鏡手術とは、お腹を切らずに内視鏡と鉗子を使って行う手術です。お腹に腹腔鏡を入れて行う腹腔鏡手術と、膣から子宮鏡を入れて行う子宮鏡手術があります。
お腹を切る方法と比較して、体への負担が少なくて済むこと、傷が小さく目立たないこと、術後の痛みが少なく回復が早いこと、入院期間のが短めで4~7日程度です。
腹腔鏡手術と子宮鏡手術の概要については以下の通りです。
腹腔鏡下手術
お腹に内視鏡を入れ、モニター画面を見ながら行う手術です。最近多くなっている術式ですが、直接術野をみれないことや手術を行う医師の高い技術を要する術式でもあります。お腹を大きく切る必要がないので、術後の痛みが少なく回復が早いため、短い入院期間で済みます。
デメリットとしては、開腹手術と比較すると手術時間が長くなる傾向があります。(おおむね1~3時間程度)
子宮鏡下手術
膣から子宮鏡という内視鏡を入れて行う手術のことです。子宮内腔に飛び出ている筋腫や子宮内膜ポリープ等の場合に適応します。お腹や子宮を切らずに済むため、体への負担が少なく、また術後の痛みについても相対的にごく軽いものとなるのがメリットです。
手術時間も30分~1時間と比較的短時間で済みますが、この術式に適応できる筋腫は限定的なものとなります。
入院期間のまとめ
開腹手術の場合は、大きくお腹をきるために入院期間が長めの10~14日間程度となります。術後の経過としては経過良好な場合には、手術翌日には食事をとることもできるようになり、2~3日程度で自力歩行が可能になります。
術後5日~7日頃には入浴もOKになり、またこの頃抜糸も行われます。手術数日は痛みもかなり残りますが鎮痛剤等で抑えられる程度のものです。
一方、内視鏡手術の場合は入院期間が5~7日程度と開腹手術の場合と比較しても約半分の期間で済みます。また痛みも相対的に軽いため早い人ですと手術翌日には自力で歩行したりするようになる人もいます。
まとめ
子宮筋腫手術で必要な入院期間
子宮筋腫の手術にはどのような種類があるか
開腹手術のメリット・デメリットと入院期間
開腹手術の各術式のメリット・デメリット
内視鏡手術のメリット・デメリットと入院期間
入院期間のまとめ