「めまい体操が効果的な良性発作性頭位めまい症(前編)」では、回転性めまいの原因と良性発作性頭位めまい症の治療法についてご紹介いたしました。後編では、 良性発作性頭位めまい症 の症状を改善する簡単なめまい 体操 をご紹介いたします。
また、長期間にわたるめまいの原因についてもご紹介いたします。
めまい体操が効果的な良性発作性頭位めまい症(後編)
簡単にできるめまい体操
耳鼻咽喉科などの専門の医師がおこなうエプリー法(浮遊耳石置換法)によって、ほとんどの良性発作性頭位めまい症による症状は改善するといわれています。しかし、同様の効果を簡単なめまい体操によって得られることができます。
たとえば、寝返り運動というものがあります。まず仰向けになった状態から右向きになり、再び仰向けに戻し、今度は左向きになります。そのとき、それぞれの向きで10秒ずつ静止します。
これを1回につき10セットずつ朝と寝る前におこなうことにより、三半規管にはがれおちた耳石が元に戻り、良性発作性頭位めまい症による症状が改善するといわれています。
その他、勢いよく起き上がったり、うつむいた状態から天井をみるようにして頭の位置を動かすこと、身体の前に腕を突き出して親指を立てた状態で左右上下に動かし、頭を動かさないように目だけで親指を追うというようなめまい体操なども、その動きに身体を慣れさせてめまい症状を改善する効果があります。
また、めまいや吐き気などの症状があると、安静にしていた方がいいと思っている方がたくさんいますが、良性発作性頭位めまい症に関しては、身体を動かした方が改善を促すといわれています。
長期的に続くめまいの本当の原因とは
めまいのほとんどは良性発作性頭位めまい症ですが、身体にめまいをおこす原因がみられないにも関わらず、めまいとそれに伴うつらい症状が続くという方は、同じ内耳の異常が原因となるメニエール病の可能性もあります。
メニエール病もめまいが主症状となる内耳の疾患です。内耳は内リンパ液という液体によって満たされており、生成と排出のバランスによって常に一定の量に維持されています。
しかし、そのバランスが乱れてしまい内リンパ液が過剰になると内リンパ水腫をおこしてしまいます。これが、メニエール病と良性発作性頭位めまい症がおこる原因の大きな違いです。
その他にも、メニエール病は耳鳴りや耳閉感、難聴などの症状を伴うという違いがありますが、必ず同じ症状があらわれるとは限りません。そのため、初診時には区別がつかず、良性発作性頭位めまい症と診断されてしまうこともあります。
メニエール病であれば、内リンパ水腫を改善させるが治療になるため、薬物療法がおこなわれます。病院では良性発作性頭位めまい症といわれたけれど、症状が治まらないという方はメニエール病も疑って再度受診してみてもよいでしょう。
まとめ
めまい体操が効果的な良性発作性頭位めまい症(後編)
簡単にできるめまい体操
長期的に続くめまいの本当の原因とは