朝起き上がろうとしたら突然急なめまいに襲われたら、それは良性発作性頭位めまい症かもしれません。
ストレス が原因のひとつだといわれている 良性突発性頭位めまい症 とはどのような病気なのか、症状やメカニズム、予防法もあわせてお伝えします。
良性発作性頭位めまい症とストレスの悪循環
急なめまいに襲われる
良性発作性頭位めまい症とは基本的には「良性」で手術に至るようなことはなく、「発作性」なので短時間で症状はおさまり、特定の「頭(の)位(置)」になった時に「めまい」の症状があらわれるという耳の病気です。
更年期以降、特に60代以降の女性に多くみられるという報告があります。寝返りをうったときや朝起きようとして頭を動かしたときに急に回転性のめまいに襲われるのが良性発作性頭位めまい症の特徴です。
また後ろや前に頭を急激に動かしたときにめまいがおこる場合もあり、めまいとともに吐き気や頭痛がおこることもあります。
症状があるあいだに病院で受診することがなかなか難しく、自然に症状があらわれなくなることも多いためはっきりとした診断を受けることもなく、自分が良性発作性頭位めまい症であるという自覚がない女性も多くいるはずです。
ストレスが関係している?
良性発作性頭位めまい症でめまいがおこるメカニズムは、本来内耳の中の卵形嚢や球形嚢にあるはずの耳石と呼ばれるカルシウム粒子のかけらが同じ内耳の中にある三半規管に入り込んでしまいリンパ液の流れを妨げてしまうことによるものだとわかっていますが、なぜそのような状態になってしまうのかというはっきりとした原因はわかっていません。
加齢によるもの、慢性の中耳炎の影響、頭部や耳への強い衝撃や外傷、また運動不足などであまり頭を動かさないことなどいろいろな要因が考えられますが、ストレスも原因のひとつだといわれています。
ストレスの悪循環
良性発作性頭位めまい症に限らず最近ではさまざまな身体の不調の原因がストレスだといわれることが増えています。病気の原因がストレスだといわれてもそれを全て排除することは難しく、どうやって排除するかを考えること自体にストレスを感じてしまいます。
そして当然めまいなどの症状そのものや、いつまた症状があらわれるかと不安に思うことでストレスを感じてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
現代社会ではストレスを感じていない人などいないのではないかと思うほどストレスにあふれています。ストレスを100%なくすことは不可能なので、どこかで折り合いをつけてうまく付き合っていくしかありません。
予防のためにできること
良性発作性頭位めまい症の発作を予防する一番簡単な方法は積極的に身体を動かすことです。めまいの症状がでている時は安全のため安静にしていることをお勧めしますが、症状がない時は安静にし過ぎるのは禁物です。
普段から頭をよく動かすことによって三半規管が鍛えられ平衡感覚を養うことにつながりますし、適度な全身運動はストレスの発散にも効果があります。
眠っている間もできるだけ同じ姿勢を続けないように寝返りをうつように心がけ、高めの枕を使用して三半規管に耳石が入り込まないようにするという物理的な対処法も効果的な場合があります。
ゆっくりと入浴したりアロマを利用したりするとリラックス効果が期待できます。疲れやストレスをためないために生活のリズムや栄養バランスに気を配るなどして生活習慣を見直すことも重要です。
よく似た症状の他の病気
良性発作性頭位めまい症と同じように耳の病気でめまいの症状が出る代表的なものにメニエール病という病気があります。メニエール病の特徴はめまいとともに難聴や耳鳴りの症状がおこります。
まためまいに加えて手足のしびれや麻痺などがみられる場合は脳の病気の可能性もあります。いずれも自己判断で放置せずに病院へ行くことをお勧めします。
症状が治まってから受診する場合はどのような状況の時に症状があらわれ、どのくらいの時間続いたかなどをできるだけ詳しく説明すると医師の診断の助けになります。
まとめ
良性発作性頭位めまい症とストレスの悪循環
急なめまいに襲われる
ストレスが関係している?
ストレスの悪循環
予防のためにできること
よく似た症状の他の病気