ピロリ菌はなんだか可愛い名前で、悪さなんてしなさそうに思えます。しかし、とんでもない悪者です。胃潰瘍や、胃のポリープ、命にかかわる胃がん、これら全て犯人はピロリ菌なのです。
ピロリ菌がいる人といない人で比べたら、いる人の方が20~30倍も胃がんの発生率があがるのです。
今回は、 ピロリ菌 の 除去 についてお伝えいたします。
ピロリ菌の除去で、胃の病気とおさらば!!
予想外の場所にいたピロリ菌
昔から、人の胃袋というのは酸性が強くて、菌などが住むなんて想像もつきませんでした。そのおかげで、ピロリ菌の発見は大幅に遅れたのです。30年前の1983年に見つかったピロリ菌ですが、まさかの胃の粘膜の中に住んでいました。
ピロリ菌の体は胃液に触れれば死んでしまうのですが、ピロリ菌はアルカリ性の酵素で体を覆っているために、酸を中和してしまうのです。酵素に体を守られたまま、胃液の中に生息していたのです。
犯人はピロリ菌
胃の病気のほとんどが、ストレスやたばこからくるものだと思われていたのが、近年ではピロリ菌の研究がすすみ、ストレスやたばこの概念が覆されました。
胃潰瘍も、一生再発を繰り返す病気だと思われていたのが、ピロリ菌を除去するだけでほとんど再発しなくなるという、事実が報告されました。
胃がんに関しても、99%の確率で根本的な部分にピロリ菌が絡んでいるといわれています。他にも十二指腸潰瘍や、スキルス胃がんといって、とても進行の早い恐ろしいがんも、ピロリ菌の存在が分かったことで、予防が容易になりました。
国も認めたピロリ菌
ピロリ菌が見つかったことで、研究がすすみ2000年11月には国で、特定のピロリ菌に起因する、胃に関する病気に対して、ピロリ菌の除菌療法が保険で認められるようになりました。
これでピロリ菌感染患者も減り、胃に関する病気も減るのではといわれていますが、病気になってからの除菌しか保険の適用にならないのが、残念なところです。
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌が胃の中に住む前は、いったいどこに生息しているのか、まだわかっていません。そしてどういった形で、感染するのかもはっきりした事はわかっていません。
しかしながら、先進国では感染率が低く、発展途上国では感染率が高いのを見ても、上下水道などの整備が良い国ほど、感染率は低いようです。
一説では、地下水などの整備されていない水が原因といわれていることもありますが、実際に地下水などからピロリ菌を発見できたわけでもないので、ピロリ菌が自然界のどのようなところに生息しているかは、これからの研究に期待するしかありません。
ピロリ菌の除去
日本人の年齢層でピロリ菌の感染率を見てみると、40歳から上に行くにつれて、感染率は高くなり陽性率は70%という数字があるくらいです。
しかし、40歳から下の年齢になると明らかに、感染率が低下していて、丁度日本の上下水道が整備されてきた時期と一致しています。たとえ若い人に感染率が減っているとしても、今の日本を動かしているのは40歳代から上の人間になります。
そして人口が多いのも、その年代です。子育て中で、子供に食べ物を口移しであげたりすれば、簡単に感染してしまいます。将来子供が胃がんなどで、辛い思いをさせたくなければ除菌も必要です。
除菌の仕方は簡単です。内科、胃腸科、消化器科のどれかがある病院に行って診察してもらいましょう。基本的にはピロリ菌がいるかどうか検査して、いた場合は薬を2週間ほど飲み経過を見ます。そして最後にいなくなったかどうかの検査で終了です。
ここまでの費用としては、2万円前後です。実際に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患っている場合は、保険が適応されてもう少し安くなります。
現在はまだ未知数のピロリ菌ですが、これからもっといろいろな悪影響がわかってくる可能性もある菌です。やっつけられるうちに、やっつけてしまった方がこれからの人生楽しめるのかもしれません。
まとめ
ピロリ菌の除去で、胃の病気とおさらば!!
予想外の場所にいたピロリ菌
犯人はピロリ菌
国も認めたピロリ菌
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌の除去