西洋医学が体の悪い部分を物理的に治すものであるとすれば、東洋医学は免疫力を高め、自然治癒を目指すものです。西洋医学的な治療と並行して、東洋医学の 漢方 を取り入れ、 黄体機能不全 を改善するメリットをご紹介します。
漢方を取り入れ黄体機能不全を改善しましょう
黄体機能不全における漢方薬のメリット
黄体機能不全は、排卵後に黄体から分泌される黄体ホルモンが放出されず不足し、長期に渡りホルモンバランスが乱れる病気です。
この症状に対し、西洋医学の治療では黄体ホルモンの分泌を促す薬や、黄体ホルモンそのものを補う薬が用いられます。治療期間は長期に渡ることが多く、薬の副作用に悩まされ、治療に前向きになれない人もいるでしょう。
東洋医学では、体質を見極め、長期的な治療により体全体のバランスを整え、自らの自然治癒力をもって病気を治します。体質そのものを改善して病気にアプローチするため、病気までには至らないが体の調子が悪いといった「未病」の段階で病気を予防することに向いています。
また、西洋薬は科学的に合成され、症状に対しピンポイントで即効的に作用するのに対し、漢方薬は植物の根や種子といった天然成分から作られるため効き目が穏やかで、副作用があっても軽度であることが多いといった違いがあります。
黄体機能不全は自覚症状がないことも多く、妊娠の希望がなければ治療をしない場合もあり、これは漢方が得意とする「未病」の状態と言えるでしょう。また、体質改善のため長期に服薬する際も、副作用が少ない漢方薬は、黄体機能不全の治療に適しているのです。
黄体機能不全の体質診断と漢方薬の処方
東洋医学において黄体機能不全の状態は「腎陽虚(じんようきょ)」に該当します。
漢方では人体の働きを5つに分類しますが、その中でも生殖機能と排泄機能を司る「腎」の機能が低下した「腎虚」の状態です。
「腎虚」はさらに2つに分類され、体を温める「陽気」が不足しているということで「腎陽虚」となります。
この「腎陽」を補うため、具体的には子宮の冷え、貧血を改善する芍薬や生姜、杜仲といった生薬を含む漢方薬を服薬します。
漢方薬の入手方法
病院では西洋医学的なアプローチが主流ですので、漢方薬に馴染みがない人も多いでしょう。漢方薬に対する評価は病院・医師によっても分かれており、医師から積極的に勧めてもらえる場合もあれば、気休めでしかないと否定的な対応をされる場合もあります。
病院で処方してもらう場合は健康保険が適用されるため、まずはかかりつけの医師に漢方薬を処方してもらえるか相談してみましょう。医師からの回答が否定的な場合は、漢方を積極的に取り入れている病院もありますので、別の病院で相談してみましょう。
また、漢方薬局で処方してもらう方法もありますが、この場合は健康保険が適用されないため、費用も考慮しておきましょう。薬局や処方される薬により異なりますが、費用は1日あたり500円程度になることが多いようです。
費用がかかる分、薬は症状により個別に生薬をブレンドしてもらえるため、丁寧にカウンセリングをしてくれる薬局で相談してみましょう。
漢方薬の注意点
さて、漢方薬も薬ですので副作用がないわけではありません。湿疹やじんましんなどの症状や、まれに血圧上昇や肝機能障害を引き起こすこともあるため、服用する際は定期的に、医師に相談しましょう。
また、漢方薬は西洋薬と併用できることが多く、むしろ併用した方が良い場合もあります。しかし、飲み合わせによっては注意が必要な場合がありますので、併用する場合も医師に相談しましょう。
薬以外の漢方的養生
せっかく漢方薬により腎気と陽気を補っても、生活の中で養生しなければ意味がありません。漢方の考え方に従い、気力を養い、体を温める工夫が大切です。ストレスを溜めず体を休め、冷たい飲み物は温かい飲み物に置き換えるといった心がけにより、体質を改善していきましょう。
まとめ
漢方を取り入れ黄体機能不全を改善しましょう
黄体機能不全における漢方薬のメリット
黄体機能不全の体質診断と漢方薬の処方
漢方薬の入手方法
漢方薬の注意点
薬以外の漢方的養生