「乳癌と間違えやすい良性のしこり(前編)」では、乳房のしくみや乳癌のできる部位につていご説明いたしました。後編では、 良性 の しこり の場合、 乳癌 は放置してもよいのか、またしこりを検査する検査方法についてご説明いたします。
乳癌と間違えやすい良性のしこり(後編)
しこりは放置しても良いのか
乳腺症で見られるしこりは、画像所見や他の症状などからも女性ホルモンの影響を受けてあらわれる症状であり、治療の必要がないものであると診断できる場合が多いです。
しかし、その他のしこりはそれ自体を切除して病理検査を行わない限り、はっきりと良性腫瘍であると判断できないものがほとんどです。
また、詳しい検査の結果良性であると診断されても、腫瘍の大きさや圧痛などの症状によっては手術で除去する必要もあります。
乳房に見られるしこりは乳癌よりも良性の腫瘍などの場合が多いですが、他に症状がなくても月経周期に関係なくしこりが触れる場合は自己判断をせず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。
しこりを診断する検査の種類
乳房のしこりを主訴に受診した場合の検査内容は、ほぼ乳癌の検査と同じ内容になります。一般的には、血液検査、視触診、画像検査(レントゲン、CT、MRI、マンモグラフィ)、超音波検査、細胞診、組織診などを必要に応じて行います。
乳癌と一部の良性のしこり以外は、治療する必要はありませんが、そのしこりがどのようなものであるのかを詳しく検査して診断することは、安心感を持てるだけでなく、将来的に乳癌が発生するリスクを知ることもでき乳癌に対する意識を高めるきっかけにもなります。
現在はマンモグラフィなどのように侵襲が少なく鮮明に見ることができる画像診断も行われるようになり、検査自体も受けやすくなりました。
女性にとっては乳房の検査は羞恥心などの面からも勇気のいることですが、しこりの精密検査をした結果、偶然初期の乳癌が見つかったというケースも実際にあるため、必要なときに積極的に検査を受けることをお勧めします。
まとめ
乳癌と間違えやすい良性のしこり(後編)
しこりは放置しても良いのか
しこりを診断する検査の種類