疲れや体調不良などを自覚しているときに、めまいを感じることがあります。しかし、めまいが長い間続き、日常生活もままならない場合、命に関わる病気ではないかと心配になってしまいます。
そのようなめまいは、耳の中にある内耳の異常が 原因 で起こっている メニエール病 の可能性があります。
耳の異常が原因となるメニエール病(前編)
平衡感覚に関わる器管
私たちは何も意識しなくても、外的刺激にうまく対応しながら、まっすぐ歩いたり、体が倒れないように姿勢を維持することができます。このような体の平衡感覚は、周囲を認識する視覚、音を集めて認識する聴覚、運動機能を司る小脳がそれぞれの機能を果たすことにより保たれてます。
しかし、それらの感覚器が異常を起こすことにより、平衡感覚が乱れ、目が回ったり、体が浮いてふらつくなど実際の体の動きとは違う認識をしてしまうことにより、めまいとして感じるのです。めまいには同時に生じる症状から、めまいを起こしている原因となる器管を予測することができます。
耳は音を伝えるだけでない
耳は聴覚といい、音を感じて神経を伝って脳に情報を与える器管です。耳介、外耳、中耳、内耳に分かれており、ラッパのように外に広がる形をして音を集めています。音は音波となり鼓膜を振動させ、増幅されながら内耳に到達します。
内耳は蝸牛というリンパ液で満たされたカタツムリのような形をしており、音波の振動を受けてリンパ液が揺れると、その情報は電気信号に変換されて蝸牛神経を通して脳へ伝達されます。
音を伝える以外の機能として、平衡感覚があります。内耳にある耳石は体の上下の動き、重力、遠心力を感知することができます。三半規管では体の回転を感知することができます。これらの感覚は電気信号となって前庭神経を通して脳に伝えられます。
このように、耳は音を伝える機能だけでなく、平衡感覚を司る大切な機能が備わっているのです。
めまいの種類
一般的に、めまいといわれている症状は、天井がまわるような回転性めまい、体がフワフワと浮いたように感じる動揺性めまい、目の前が真っ暗になり気を失いそうになる眼前暗黒感の3種類があります。これらのめまいの違いは、起こる場所によって変わります。
回転性のめまいは、脳に原因がある場合もありますが、ほとんどは内耳にある三半規管が原因で起こります。三半規管はリンパ液に満たされており、体に回転が加わるとリンパ液が動きます。その情報を前庭神経に伝えることで、体が回転していることを感知しています。
しかし、リンパ液が多くなってしまったり、前庭神経に炎症が起こるなどの理由により、体が回転していないのにリンパ液が動き、バランス感覚が崩れるため、目が回ったようになります。
動揺性めまいの原因は主に3通りあり、小脳という体のバランスを司る器官に何らかの異常が起こる場合、薬物の副作用、ストレスや体調不良に伴う自律神経の異常で起こります。
眼前暗黒感は立ちくらみといわれることが多く、低血圧や自律神経の乱れ、出血などにより脳への血流が低下することが原因で起こります。
まとめ
耳の異常が原因となるメニエール病(前編)
平衡感覚に関わる器管
耳は音を伝えるだけでない
めまいの種類