「耳の異常が原因となるメニエール病(前編)」では、耳の機能やめまいの種類についてご説明いたしました。後編では、めまいの 原因 について、またどのような人が メニエール病 を発症しやすいのかご説明いたします。
耳の異常が原因となるメニエール病(後編)
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回転性めまいの原因
回転性のめまいは、同時に耳鳴りが伴うものと、伴わないものがあります。耳鳴りが伴わない回転性めまいを良性発作性頭位めまい症といいます。内耳には、体の回転を感知する三半規管と傾きを感知する耳石器という器管あります。
良性発作性頭位めまい症は、耳石という砂のようなものが加齢や外傷が原因となり、剥がれ落ちたり三半規管に入り込みリンパの流れを乱すことによって症状があらわれます。
起き上がりや寝返り、頭の位置を上下に動かしたときに目が回り、数秒から数十秒で治まりますが、酷いときは吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
しかし、耳鳴りを伴うことはなく、ほとんどの場合はめまい発作を繰り返しながら自然治癒していくことが多いです。
回転性のめまいと、耳鳴り、難聴、耳閉感の4症状が重なり、数日から数ヶ月の間隔で繰り返すものをメニエール病といいます。
メニエール病も良性発作性頭位めまい症と同様に内耳の疾患ですが、耳石ではなくリンパ液が溜まり水ぶくれのような状態となる内リンパ水腫が原因で起こります。
内リンパ水腫の詳しい原因はわかっていませんが、内リンパ液の循環が乱れたり、排出でなかったり、過剰に生産されることなどが原因ではないかといわれています。
内リンパのむくみにより、耳閉感や音の伝達が妨げられて低音域の難聴や耳鳴りを併発します。また、メニエール病のめまいは突発的で激しいため、立つこともできない状態が数十分以上続くことが特徴です。
さらに、吐き気や嘔吐、顔面蒼白、動悸、冷や汗などを伴い、日常生活を妨げてしまいます。
どんな人がなりやすいか
メニエール病を発症する原因のうち約8割を占めているのがストレスです。はっきりとした原因はわかっていませんが、発症の前に何らかの精神的、肉体的ストレスがあったり、几帳面や神経質な性格の方に多いことから、ストレスの影響は大きいといわれています。
また、アレルギー体質であったり、春や秋の初めや低気圧などの天候の変化に伴って症状が出る方が多くいます。女性では月経の前後に症状が出る方もいます。
それ以外に、運動量が少ない方や、30から50代の女性に多いことから、生活環境の影響も大きく関係していると考えられています。
まとめ
耳の異常が原因となるメニエール病(後編)
回転性めまいの原因
どんな人がなりやすいか