マンモグラフィー検診では判定区分がカテゴリー1~5でしめされることが多くなっています。その他にもよくみられる所見として石灰化や腫瘤などという用語があります。
マンモグラフィー 検診の 結果 の見方や用語についてご紹介いたします。
こう見る乳房検診のマンモグラフィー検査結果
マンモグラフィーとは
マンモグラフィーは乳房専用のレントゲン検査を行う装置のことです。乳房を圧迫版とレントゲンフィルムの入った板ではさみ、薄く伸ばした形にして撮影します。撮影は左右それぞれ、上下と斜めの方向から4回行われます。
検診などでは斜め方向だけ行われることもあります。乳癌の初期症状である微細な石灰化を見つけることができると言われています。
乳房検診で用いられることの多い超音波検査に比較すると、マンモグラフィー検診では乳房全体をみることができ、0.1~0.5㎜の微小な石灰化の検出が可能である点が優れていると考えられています。
一方、乳腺が発達している場合、しこりの検出が難しいと言われていて、乳腺としこりの判別は超音波検査の方が優れていると言われています。
マンモグラフィー1枚の撮影で浴びるX腺の量は知らず知らずのうちに浴びている自然界の放射線量の1年分の6分の1~8分の1にあたります。ただし、妊娠中の方は受けることができません。
マンモグラフィー検診の結果
マンモグラフィー検診の結果はカテゴリー1~5で分類されます。これは国際的な診断基準として用いられる「BI-RADS」(バイラッズ)を用いたものです。
カテゴリー1は異常なしで、カテゴリー2は石灰化した線維腺腫や脂肪腫による影響はあるが明らかに良性と判定できるものです。
カテゴリー3は良性ではあるものの悪性の可能性を否定はできないという状態です。癌である確率は5~10%であると言われています。
この場合には超音波検査などの追加検査が必要とされます。カテゴリー3と診断された場合には国際的に「はじめ6か月ごとに2回、その後1年ごとの1~2回の画像による経過観察を2~3年行うこと」と決められています。
カテゴリー4は悪性の疑いがあって、他の詳しい検査が必要とされる状態です。癌である確率は30~50%であると言われています。
カテゴリー5はほぼ乳癌と考えられる病変があるためにさらに検査が必要な状態です。
ただし、最終的に良性か悪性かという判断は細胞を採って検査をする病理診断を待たなければなりません。
マンモグラフィー検診でよくみられる所見
石灰化
乳房内部にマンモグラフィーでは明るさが増しているカルシウムが沈着したと考えられる部分があることをさします。
石灰化が即、腫瘍を意味しているものではありませんが、悪性を疑われる場合もありますので、再検査の指示が出た場合には速やかに指示にしたがってください。
腫瘤
乳房内に明らかに他の細胞と異なる組織の塊がある状態です。良性の場合も悪性の場合もありますので、詳しい検査をする必要があります。
局所非対称陰影
腫瘤に至らない濃度や境界を持たない左右非対称の陰影がある状態です。腫瘤と識別するための検査が必要です。
また、局所非対称陰影の疑いがあると言われた場合には、通常、正常範囲の左右の差だと考えられますが、稀に腫瘍が潜んでいることがあると言います。
いずれにしても定期的な検診が大切になってきます。
マンモグラフィー検査で異常があったら
マンモグラフィー検診で見つかる異常は上述したような腫瘤像や微小石灰化像です。これらが見つかった場合にはまず、超音波検査や必要があればMRI検査が追加されます。
さらに超音波検査でも異常が見つかった場合には穿刺吸引細胞診・針生検・マンモトーム生検などという腫瘤に針を刺して細胞を採取する検査が行われます。
穿刺吸引細胞診では細い針が使われるために麻酔は使用されませんが、その他の細胞採取には局所麻酔が施されます。
マンモグラフィー検診の有効性
2000年まで日本の乳癌検診は視触診のみでしたが、厚生労働省がマンモグラフィー導入の必要性を訴えて検診方法のガイドラインを発表しました。
そのガイドラインによると乳癌検診はマンモグラフィーによる検診を原則とする・視触診は必須ではないが、実施する場合にはマンモグラフィーと併用する・超音波検査は高濃度乳腺における癌発見率が高いので対策型検診として導入される可能性があることなどが述べられています。
上述の厚生労働省によるガイドラインではマンモグラフィーによる画像検査の対象は40歳以上となっています。乳腺の発達した若い世代では乳房全体が白く見えてしまうため、乳癌を見分けることが難しいのです。
このようなマンモグラフィーの特徴から、現在ではマンモグラフィーと超音波検査を併用することを推奨している医療機関が増えてきています。
まとめ
こう見る乳房検診のマンモグラフィー検査結果
マンモグラフィーとは
マンモグラフィー検診の結果
マンモグラフィー検診でよくみられる所見
マンモグラフィー検診で異常があったら
マンモグラフィー検診の有効性