甲状腺機能低下症とは、甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンが減少し不十分になる病気です。
甲状腺ホルモンは身体のエネルギーの利用を促すホルモンなので、必要に応じて分泌されるが、甲状腺機能低下症の患者は、甲状腺ホルモンが不足するのでエネルギーを利用することが出来ず、身体の機能が低下します。
甲状腺機能低下症 を治療する 薬 はどのようなものがあるのでしょうか?
甲状腺機能低下症の薬について
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甲状腺機能低下症とは
甲状腺機能低下症とは、身体のエネルギーを促す甲状腺ホルモンの量を調節できず、血中の甲状腺ホルモンが少ない状態のことをいいます。
甲状腺ホルモンが少なくなる原因がいくつかあり、甲状腺自体に問題があり分泌できない原発性、甲状腺刺激ホルモンが低下していることが原因の二次性、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが低下している三次性、自己免疫障害によって甲状腺が攻撃される橋本病などがあります。
症状
全身のエネルギーを利用できなくなるため、さまざまな症状が現れます。
首の腫れ・喉の違和感・体重増加・皮膚の乾燥・便秘・日中も眠くなる・月経の量が増える・身体が重い・不妊など、全身に及びます。他にも眉毛が抜けてしまったり、声のかすれ・視力低下・浮腫や、心臓にも症状が現れ、徐脈になったりします。
20代後半から40代の女性の患者が多いですが、新陳代謝が異常に遅くなり、早老になるため動脈硬化など起こすことがあります。うつ症状、便秘、関節炎も起こりますが、甲状腺機能低下症と関連がないと見逃されることがあります。
検査・診断
甲状腺機能低下症の検査は、血液検査・甲状腺超音波検査があります。血液検査では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が高くなります。
一般の健康診断では、コレステロールやクレアチンキナーゼの値が高くなるので、甲状腺機能低下症が見つかることがあります。超音波検査では、エコーレベルが低下します。
薬
甲状腺機能低下症の治療には甲状腺ホルモン薬があり、飲むことにより不足している甲状腺ホルモンを補います。代表的な治療薬には、チラージンがあります。甲状腺ホルモンを補充するためによく用いられる薬です。
動物の甲状腺を精製して作られ、安定した効き目があります。1日1回朝から服用しますが、初めは少量から始めて、徐々に増加していきます。飲む量が合わない時はいろんな症状が出る場合があります。
ホルモン量があっているか、診察時に調べて、自分に合う量に調節していきます。診察時には気になる症状をきちんと医師に伝えましょう。根本を治療するわけではないので、基本的にはずっと飲み続けることになるので、自分に合った量を見極めることは大切です。
他に甲状腺ホルモンの濃度を上げたいときはチロナミンがあります。すぐに効き目が現れますが、身体の中から消失してしまうのも早いので、効果が長く続きません。
いずれの薬も飲み始めてすぐ効くわけではないので、しっかりと飲み続ける必要があります。副作用はほとんどないと言われていますが、副作用と思われるような症状がありましたら、医師に相談しましょう。
薬の副作用
チラージンは副作用が無いですと言われることが多いのですが、身体に変化を感じる人はいるようです。薬の量が合わない場合も症状が現れることがあります。動悸や眠気、倦怠感、頭痛、脱力感があったり、吐き気がして嘔吐したり、下痢が起きたりすることもあります。
甲状腺ホルモンは足りなければ甲状腺機能低下症の症状が残るし、多すぎると亢進症のような症状がおこることがあります。
勝手に薬をやめないでかかりつけの医師に相談しましょう。甲状腺ホルモンは、初めから自分にちょうどいい量を見つけることが難しく、すぐに体調の変化があるわけではありません。
長期的にコントロールをしていくことが必要になるので、医師との信頼関係も大切になります。できれば、甲状腺の専門医に診いただくといいでしょう。
まとめ
甲状腺機能低下症の薬について
甲状腺機能低下症とは
症状
検査・診断
薬
薬の副作用