「骨粗鬆症治療薬を正しく使用し、健康寿命を延ばしましょう(前編)」では、骨粗鬆症治療薬の第一選択薬となっているビスホスホネート製剤の服用方法についてご説明致しました。後編では、 骨粗鬆症 治療 薬 としてのビタミンD製剤やカルシウム製剤、ビタミンK製剤についてご説明致します。
骨粗鬆症治療薬を正しく使用し、健康寿命を延ばしましょう(後編)
ビタミンD製剤
ビタミンDはカルシウムの吸収を促すことにより骨の形成を促進する作用があります。通常、ビタミンDは食物から摂取する以外に紫外線を浴びることにより皮膚で生成されます。
この生成されたビタミンDが体内で代謝され働きやすい形に変換されます。変換されてようやく骨の形成を促進することができます。骨粗鬆症の治療に用いられるビタミンD製剤は、働きやすい形に変換された状態となっています。
骨粗鬆症と診断された方は特に骨を強くしなければとカルシウム摂取を意識ことがあります。いりこや牛乳などの食品からの摂取を心がけることは何も問題がありませんが、カルシウムを多く含んだサプリメント等を摂取している場合は、ビタミンD製剤との併用に注意が必要です。
カルシウムがより多く吸収されてしまい、高カルシウム血症という疾患になることがあります。ビタミンD製剤が処方された場合は、自分の判断でカルシウムのサプリメントを摂取することは避けましょう。
その他の治療薬
カルシウム製剤
カルシウムの補給で他の骨粗鬆症治療薬との併用されることが多いです。医師の処方のもとビタミンD製剤と併用する場合は、体調の変化に注意し、気になることがあれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
自分の判断で勝手に中止したりすることがないようにしましょう。医師ときちんとコミュニケーションが取れていれば過剰に心配する必要はありません。
ホルモン製剤
副甲状腺ホルモンホルモン製剤、女性ホルモン製剤などのホルモンに関わる製剤があります。内服薬の他に自己注射製剤の薬剤もあります。主に骨の量が減少するのを抑制する効果が期待できる薬剤となります。
ビタミンK製剤
骨の量が減少するのを抑制します。また骨粗鬆症による疼痛改善にも効果が期待できます。空腹時に服用すると食後服用するのに比べ吸収率が約10分の1に低下してしまうため、必ず食後に服用するようにします。
血液サラサラ系の薬剤、ワーファリンと併用することができないため、ワーファリンを服用している場合は医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。
治療薬が処方された場合は、どのような薬剤でもきちんと医師の指示通りに使用するようにします。気になることがあれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
骨粗鬆症に関するその他の治療法
骨粗鬆症の方が骨折をした場合は外科的治療が行われることがあります。例えば腰椎の圧迫骨折を生じた場合にはギプスによる固定後、コルセットの装着を行います。
場合によってはギプスの使用ができないことがあり、その際は最初からコルセットの装着になります。コルセットの作成に1週間程度時間を要するため、その期間はベッド上安静となります。
骨粗鬆症と診断された場合は転倒の予防も重要な治療の1つとなります。高齢者の転倒による骨折は、その後寝たきりの生活につながり寿命を縮めてしまうきっかけになりかねません。転倒の予防には体幹を鍛える運動や体操などが有効です。
まとめ
骨粗鬆症治療薬を正しく使用し、健康寿命を延ばしましょう(後編)
ビタミンD製剤
その他の治療薬
骨粗鬆症に関するその他の治療法