食後の胃痛に悩まされたという経験はどなたでもあるものではないでしょうか。単なる食べ過ぎによる消化不良であればよいのですが、中には重大な病気が潜んでいいる場合があると言います。
食後 の 胃痛 のさまざまな症状や原因についてご紹介いたします。
食後の胃痛に潜んでいるかもしれない病気とは
食後の胃痛の原因
食後の胃痛の原因は大きく2つに大別できます。
まず、食べ過ぎや飲みすぎ、極度の早食いによる消化不良が考えられます。これは病気ではなく、生活習慣の問題ですが、このような状態が長く続くと、胃に過度な負担がかかってしまって炎症を引き起こす場合があります。
「腹8分目をよく噛んで」食べるという心がけが必要です。
もうひとつの原因は消化器系の病気による痛みです。
胃痛を引き起こす病気には、胃酸過多が原因で胃の粘膜に炎症を起こす胃炎、胃酸や酵素によって胃の粘膜が損傷を受ける胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃の粘膜にはなんら異常がないにもかかわらず胃の運動機能が低下する機能性胃腸症などがあります。
慢性胃炎の場合には胃痛の他に胸やけ・胃もたれ・吐き気などの症状があります。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の場合にはみぞおち周辺が痛み、胸やけ・吐き気と共に酸味のあるゲップを経験することが多いようです。
食後の胃痛と下痢
食後に胃痛と共に下痢になる原因は2つ考えられます。
まず、細菌やウイルスなどを経口摂取してしまって起きる食中毒です。ご存知のように食中毒には腐食した食物などの細菌が原因になる他、ウイルスや化学物質、毒草や毒きのこなどの自然毒素などが原因になる場合があります。
食中毒による胃痛と下痢にはおう吐や発熱を伴うことが多いものです。
もうひとつの原因は胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器系の病気です。このような消化器系器官に問題がある場合にも食後の胃痛と下痢が症状として出る場合があります。
食後の胃痛と吐き気
食後の胃痛に吐き気が伴う場合は胃炎や胃潰瘍である場合が多いようです。ご存知のように胃の内側は非常に強い酸性の胃酸から胃を守るために厚い粘膜と粘液でおおわれています。
暴飲暴食やストレスが加わり続けると、胃酸の分泌量が増えたり、粘液の量が減ったりして、胃酸と胃粘液のバランスが崩れてしまいます。
その結果、胃酸が胃粘膜を傷つけてしまうのです。吐き気は胃粘膜が赤くなったり、むくんだりしていることのサインである可能性があります。
食後の胃痛と背中痛
実は胃自体には痛みを感じる感覚がないので、「胃が痛い」と感じている時に実際に痛んでいるのは胃の周辺だと言います。
みぞおちの辺りが痛むのは胃の異常が体の前側を刺激している場合で、体の背面を刺激した場合は背中に痛みを感じます。背中に張りを感じたり、肩甲骨の内側に痛みを感じるような場合もあるようです。
胃痛と背中の痛みを感じる場合には数々の内臓疾患が原因になっている場合があります。腎盂炎や腎結石など腎臓系の病気の場合には、みぞおちと腰や下腹部が痛み、頻尿や血尿、残尿感などの症状を伴います。
肝炎などの肝臓系の病気の場合には、胃痛と共に背中の右側が痛み、黄疸や発熱、食欲不振などの症状が出ます。
さらに、胆石症や胆嚢炎など胆嚢系の病気の場合には、みぞおちや右わき腹の上部と背中の右側が痛み、尿の色がこくなって、白い便が出ることがあります。
食後の胃痛とゲップ
食事を摂る際に食物とともに空気が入ってきますが、この空気が溜まり過ぎて胃に収まりきらなくなると出てくるのがゲップです。食後にゲップが出るのは自然なことと考えられますが、稀に幽門狭窄症のサインである場合があります。
食後に胃痛とゲップが同時に起こり、吐き気を伴う場合は要注意です。幽門部とは胃の出口の部分ですので、幽門部が狭窄すると胃の内容物が腸に移動しなくなって吐き気があらわれるのです。
幽門狭窄症の場合のゲップは酸臭や腐敗臭を伴うと言います。また、腹部膨満感や胸やけを感じ、しゃっくりをしたり、おう吐してしまう場合もあるようです。
幽門部狭窄症は胃がんや胃・十二指腸潰瘍、胃の周辺臓器の癒着による圧迫、胃の運動機能低下などが原因と考えられています。いずれにせよ、上述のような症状がある場合には専門医の診察を受ける必要があります。
まとめ
食後の胃痛に潜んでいるかもしれない病気とは
食後の胃痛の原因
食後の胃痛と下痢
食後の胃痛と吐き気
食後の胃痛と背中痛
食後の胃痛とゲップ