咽頭癌 とは、鼻の奥から食道の入り口までの間にできる癌のことです。この病気は、出来る場所によって違和感を感じる部分が変わってきます。
ただの風邪の症状だと思ったら、実は咽頭癌だったりすることもあるのです。
鼻・のど・耳に違和感を感じたら咽頭癌かもしれません!
三つの部位に分かれている咽頭
咽頭と呼ばれる部分は、実は三つの部分からなりたっています。上咽頭・中咽頭・下咽頭とわかれていて、その三か所のどこに癌ができるかで、でてくる症状も違ってきます。
名前としては、咽頭癌と呼ばれていますが、実際は三か所にできる癌は、それぞれでき方も違い、手術のしかたや、対処の方法が全く違う異なる癌として扱われています。
そして、咽頭という脳に近い部分や首のリンパ節に近い部分に癌ができるので、見つかった際にはすでに転移して、手に負えなくなっているという事例も多々あります。
上咽頭の癌
上咽頭という場所は、わかりやすく言うと鼻の奥になります。鼻の奥、喉に近い部分に癌ができると鼻づまりや、場合によっては鼻血などの症状があらわれます。耳も近いので耳が聞こえづらくなり、耳が詰まっているような感覚の症状がでてきます。
目の視神経も近いので、人によっては物が二重に見えたりする症状もでてきます。
口を開けても、癌自体が見えづらくて発見できないというデメリットもありますが、それ以上に脳に近く、耳の側にあるリンパ節にも近いので、おかしいなと思ったら、早めに病院に行って検査して、見つけてもらうことが重要です。
中咽頭の癌
中咽頭という場所は、舌の奥の方でいわゆる食べ物を飲み込む周辺です。食べ物を飲み込む際に違和感があったり、扁桃腺が腫れている、口を開けにくい、言葉が鼻に抜けていくというような症状があった時は、中咽頭癌をうたぐって病院に行くようにしてください。
下咽頭の癌
下咽頭とは、食道の上の方で声帯や気管の上部も含まれます。この部分に癌ができると、結構な確率で食道癌も併発している人がいるので、下咽頭癌がわかった時点で、食道癌も検査の対象になります。
症状は食べ物の飲みこみが悪くなるという、地味な症状のために発見が遅れることもあるようです。下咽頭癌はリンパ節に転移しやすく、首が腫れて気づくということもあるようです。
咽頭癌になる原因
咽頭癌になる原因は、一般的にはタバコと飲酒です。ヘビースモーカーやヘビードランカーだと自分で自覚がある人は、十分気を付けてください。
そして、最近では子宮頚癌の原因となるHPV、ヒトパピローマウィルスも深くかかわっていると言われていますが、たばこや飲酒に比べるとHPV感染の癌の方が、経過が良く治りも早いと言われています。
咽頭癌の予防
咽頭癌はとても症状が見つけにくい癌です。しかも人としての、重要な脳や神経が多くある所にできてしまう為に、見つかった際には転移している可能性の高い癌になります。
手術や放射線治療は本当に大変です。長きに渡っての戦いとなる上に、治療費や入院費の負担も計り知れないでしょう。たとえ治ったとしても、声を失ったり、好きなものを食べられなくなったりと、大きなリスクを背負うこととなります。
完全に治ったとしても、再発の可能性がとても高いのが咽頭癌です。予防するには、日常からたばこや飲酒を減らすことが、重要なカギとなります。たとえばヘビースモーカーの人に、いきなり煙草を明日から吸うなとは言いません。
ヘビードランカーの人に、いきなり飲むなとも言いませんが、せめてヘビーから脱却してみてはいかがでしょうか。日常の小さな我慢が、いつしか当たり前になって、健康を取り戻せるならそれに越したことはありません。
まとめ
鼻・のど・耳に違和感を感じたら咽頭癌かもしれません!
三つの部位に分かれている咽頭
上咽頭の癌
中咽頭の癌
下咽頭の癌
咽頭癌になる原因
咽頭癌の予防