「自分に合った月経前症候群の治療法を見つけよう(前編)」では、月経前症候群の症状や原因、またどのようなタイプの女性が症状を重くする特徴を持つのかご紹介しました。
後編では、 月経前症候群 の 治療 法を多角面からご紹介します。ご自分に合った治療法を見つけ、過ごしやすい環境を整えましょう。
自分に合った月経前症候群の治療法を見つけよう(後編)
薬物療法
月経前症候群の治療の一つに、薬物療法があります。これは、体質を改善させるよりも現在ある症状を緩和させるための治療法です。主に処方されるものは、低用量ピルという薬(ホルモン剤)です。
低用量ピルは本来、避妊のために使用される薬ですが、女性ホルモンの分泌量を一時的に減らすことが月経前症候群の症状を和らげることにもなることから治療の一つとして用いられています。
ただし、低用量ピルには血液を固めてしまうという作用もあるため、血栓を作るリスクなどがあり、また、ピルの副作用としてつわりに似た吐き気や不正出血などがみられる場合があります。
場合によっては、それらの作用が強く出てしまうこともあり、服用できない人もいるので医師と相談することが必要です。
次に、抗うつ剤や睡眠薬など精神科で処方される薬があります。しかし、こちらの薬は非常に副作用が強く出ることがありますので医師からの十分な説明が必要になります。
また、症状が頭痛や月経痛の場合には鎮静薬などを処方されることがあります。
漢方療法
漢方療法は薬物療法とは違い、最終的に体質改善により月経前症候群の症状の完治を目指します。即効性はなく、完治までに時間を要しますが、副作用がほとんどないので安全性が高い治療法です。
薬物の使用に躊躇してしまう人や長い時間をかけても安全に治療したい人にすすめられています。月経前症候群の治療に使用される漢方にはいくつか種類があります。
それらの中で代表的なものに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)があります。月経前症候群の諸症状(冷えや肩こり、頭痛、不眠、精神不安や月経異常)に対して効果があります。
他にも、主にイライラやうつなどの精神症状に効果がある加味逍遥散(かみしょうようさん)、頭痛や腰痛、便秘などの身体的症状やイライラや不眠症など月経前症候群全般の症状に効果的な桃核承気湯(じょうかくとうきとう)、月経前症候群全般の症状に効果が期待されますが特に肩こりやめまい、足の冷えなどの身体的症状に効果が高い桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあります。
自分に合う漢方薬を服用することで体質の改善も望めます。ですが、月経前症候群の症状が強い場合には漢方治療では十分に改善できないこともあります。
栄養療法
薬物療法、漢方療法の他に栄養療法というものがあります。塩分摂取を控え、カフェインやアルコールも控えます。逆に、イライラや情緒不安定を緩和するビタミンB6やカルシウムやマグネシウムを含む食品、レバーや海藻類を摂るようにします。
また、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボン(豆腐や豆乳など)、精神伝達物質の代謝に関係するビタミンE(ブロッコリーやアーモンドなど)を摂ります。これらの他に、牛乳やヨーグルト、鶏肉、ごま、ひじきなど月経前症候群の症状があらわれたときに摂取すると良い食品があります。
その他
月経前症候群の症状を和らげるためには体をゆっくりほぐすストレッチ、ヨガなどの軽い運動も効果的です。それから、気分転換に散歩をしたり、深呼吸することもリラックスできます。
自分に合った治療法を
数ある月経前症候群の治療法の中で自分に合ったものを見つけることが症状を改善する鍵となります。それもさることながら、ライフスタイルを見直すことも大切です。
バランスの良い食事や喫煙、軽い運動を心がけること、月経前症候群の症状を日記につけるなど、日頃から月経前症候群に対して意識することも必要です。
ですが、症状が重くひどい場合にはその症状に適した治療を行わなければならないので、症状がある方は一度、病院にて医師と相談し、自分に合う治療法を見つけることをおすすめします。
まとめ
自分に合った月経前症候群の治療法を見つけよう(後編)
薬物療法
漢方療法
栄養療法
その他
自分に合った治療法を