「エイズとは簡単に検査ができ、予防ができる感染症(前編)」では、エイズを予防する手立てについてご説明いたしました。後編では、HIVのスクリーニング検査についてご説明いたします。保健所や医療機関で受けられる即日検査や自宅でおこなう検査キットがあります。
最近では、 簡単に 自宅で検査が受けられるため、 エイズとは どのような疾患であるのかを意識し予防する方が増えているようです。
エイズとは簡単に検査ができ、予防ができる感染症(後編)
すぐに結果のわかるスクリーニング検査
HIVの感染の有無は、その場で30分程度で検査することができます。そのため、結果を聞くために再度足を運ぶ必要がありません。これは、即日検査といい保健所や医療機関で匿名でおこなわれている場合が多く、HIV検査の最初におこなわれる検査です。
即日検査はスクリーニング検査の1つであり、陽性か陰性かのみを判断し感染の振り分けをします。ここで、陰性であった場合はHIV陰性となり、陽性であった場合は引き続き確認検査をおこなうことになります。
スクリーニング検査では1%の確率で偽陽性という判定が出てしまうため、確定診断のために1~10日ほどかけて検査をおこないます。そのため、後日検査を聞きに行く必要があります。
しかし、スクリーニング検査である程度確かな判定を得るためには、感染した可能性のある日から3ヶ月経過してから検査を受けることをおすすめします。
また、1ヶ月程度でも抗体ができていれば検査できる場合もあります。しかし、その結果の信頼性は低いため、早期に検査をして陰性だった場合も、また3ヶ月経過してから検査し、陰性であることを確認する必要があります。
即日検査の結果、陽性であった場合は確認検査をおこなう必要がありますが、匿名で検査が受けられ、たったの1時間程度で結果がわかります。感染の疑いがある方はさらなる感染を防ぎ、早期発見・治療がおこなえるよう、勇気を出して検査を受けるようにしましょう。
自宅でおこなう検査キット
匿名で検査が受けられるとはいえ、心配な方やなかなか検査を受けに行けないという方もいると思います。そのような方に便利なものが、自宅で検査ができる検査キットです。
インターネットで3~5千円程度購入することができます。いくつか種類はありますが、検査の方法はほとんど同じです。まず、小さな針のついた器具を指先に押しあて、血液を出します。一瞬チクっとしますが、裁縫などて誤って針を刺してしまった程度の痛みです。
出てきた血液をろ紙の指定された場所に採取し、検査キットを返送します。検査所に到着してすぐに検査がおこなわれ、その翌日ころにはインターネットで結果を確認することができます。
検査機関でおこなうように、即日に結果がわかるわけではありませんが、検査に行く機会がないまま過ごすことを考えると、数日で結果がわかる大変便利なキットです。
検査キットで陽性の判定が出た場合は、早めに保健所や医療機関に行きましょう。検査キットでの検査においても、偽陽性である可能性があります。そのため、検査キットで陽性であった場合も、再び即日検査によってスクリーニング検査をおこないます。
その結果も陽性であった場合は、確認検査を受けることになります。そのため、最初から即日検査を受けた方が早いというのが現実です。
しかし、自宅で検査がおこなえることから、気楽に検査を受けてみようという方が増え、それが結果的にエイズを意識しHIV感染を防ぐことにつながっているのです。
まとめ
エイズとは簡単に検査ができ、予防ができる感染症(後編)
すぐに結果のわかるスクリーニング検査
自宅でおこなう検査キット