酷い鼻づまりや鼻や口腔から悪臭がするなど蓄膿症の症状は日常生活を送る上でつらいことが多いものです。その上なかなかすっきりすることがなく、長くなると5年、10年と治療を続けてみえる方もあるようです。
医療機関でも取り入れられている 蓄膿症 に効く 漢方 薬についてご紹介いたします。
長引く蓄膿症に漢方薬という選択肢はいかがですか
蓄膿症の治療
蓄膿症の治療は手術をせずに薬などで治す保存療法と外科的な手術を施す手術療法の二つに大別されます。
どちらを選ぶかは耳鼻科で鼻腔ファイバースコピーというカメラで鼻の中を直接観察したり、レントゲンやCT検査などで副鼻腔内の様子や分泌物を調べて決定されます。
保存療法ではマクロライド療法と呼ばれる抗生物質を少しずつ、長期間投与する方法がとられることが多いようです。このマクロライド療法で処方される抗生物質は鼻水を抑えて炎症を引き起こす物質の分泌を抑える働きをするものです。
薬物の投与と並行して鼻腔や副鼻腔の鼻水や膿を排出してきれいにすることも行われます。副鼻腔を洗浄するには鼻腔に麻酔をかけて、抗生物質の入った生理食塩水を入れながら膿を注射針で排出します。
保存療法で効果がみられないと、外科的手術が検討されます。外科的手術にはメスで切開して副鼻腔を外から開けるものと内視鏡を用いて鼻腔の内側から切開するものがあります。いずれの場合も炎症を起こしている副鼻腔の粘膜や溜まった膿を取り除く処置が施されます。
蓄膿症に効く漢方薬
副鼻腔の粘膜の炎症を和らげ、鼻づまりを軽減するには葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)が用いられます。主な成分の麻黄には交感神経を刺激するような働きがあり、血管を収縮させることで粘膜の腫れをおさえます。
また、桂皮には体内の余分な水分を排出して熱を下げるような働きがあります。風邪薬としてなじみの深い葛根湯に鎮静作用があって鼻の通りをよくする辛夷などを加えたものと考えるとわかりやすいでしょう。
この薬は病気が慢性化してからではなく、初期に服用することで効果があるとされています。体を温める葛根湯が体の余分な水(すい)の発散を促す働きをすることは言うまでもありません。
粘り気のある膿のような鼻水が出る場合には荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)が処方されます。荊芥連翹湯には黄笒(おうごん)という熱や炎症をおさえる成分と黄柏(おうばく)という殺菌作用のある成分が含まれています。
漢方では体の余分な水(すい)をうまく排泄できないことが不調を生み出すという考え方があります。その水(すい)が鼻にたまってむくむと鼻づまりが起こるという考え方です。
鼻づまりを繰り返すことで鼻の気(き)や血(けつ)の流れが妨げられるので気が熱となり、水分を奪ってしまうので粘り気のある鼻水になってしまうと考えるのです。荊芥連翹湯は余分な熱を追い出して鼻の通りをよくする漢方薬だと言えます。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)はドラッグストアなどで目にすることも多く、ご存知の方が多いかもしれません。水っぽい鼻水や痰がでる場合に処方されます。麻黄や桂皮を含んでいますので、炎症をおさえ熱を下げる働きをします。
細辛(さいしん)・乾姜(かんきょう)・五味子(ごみし)・半夏(はんげ)などの成分も含んでいますので、体内の余分な水分を排出し、咳や花粉症などにも効果があるとされています。
小青竜湯は水(すい)によって冷えてしまった部分を温めながら水分の代謝を促す漢方薬なのです。
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)は辛夷(しんい)・黄笒(おうごん)・山梔子(さんしし)などの配合された漢方薬です。鼻の粘膜の繊毛に作用して膿の排出を促す働きをします。膿の発生そのものを抑えて炎症を鎮めることも期待できます。
漢方薬使用上の注意点
昨今ではマクロライド療法の一環として、医師が抗生物質と共に漢方薬を処方するということも珍しくありません。この場合には指示に従って飲み切ることを心がけてください。
漢方薬はその方の体質と症状を見極めてその方に最適の処方をするものです。そのため試行錯誤に少々時間がかかると言うようなこともあるかもしれません。また、じっくりと時間をかけて体質改善をすることで治すという漢方独特の考え方に対する理解も必要でしょう。
市販薬も入手しやすくなっていますが、専門医や薬剤師に相談してご自身の体質と症状にとって最適な漢方薬を用いることが非常に大切です。
まとめ
長引く蓄膿症に漢方薬という選択肢はいかがですか
蓄膿症の治療
蓄膿症に効く漢方薬
漢方薬使用上の注意点