私たちは、身体のあらゆるところにおきている異常を痛みとして感じることがあります。その痛みが恥骨におこることがあります。恥骨は骨盤を構成している骨のひとつです。
その骨盤に、妊娠、出産や外傷などによってゆがみが生じると、左右の恥骨をつなぐ恥骨結合部がずれたり緩むことがあります。
普段は意識することの少ない 恥骨が痛い という方は、骨盤のゆがみからくるものの可能性があります。
恥骨が痛い原因は骨盤の「ゆがみ」にある!!
恥骨は身体のどの部分?
恥骨は、下腹部の臓器を守るように構えているしっかりとした骨盤の中のひとつです。
骨盤はちょうど腰の位置にあり、左右の寛骨、仙骨と尾骨から構成されています。骨盤の形は、男性と女性では大きな違いがあり、女性は赤ちゃんが育つために十分なスペースが得られるよう、骨盤は広くなっています。
恥骨というのは、左右にある寛骨の下側、前面にそれぞれ1つずつあります。左右の恥骨は、板のような軟骨によってつながっており、恥骨結合といわれています。
通常は、恥骨結合をさらに補強する靭帯などの働きによって、恥骨結合部が緩んだり、動くようなことはありません。
しかし、妊娠、出産であったり、外傷や恥骨部の疲労などが原因となり本来の位置からずれてしまったり、緩みや骨折をおこしてしまうことがあります。
骨盤のゆがみが痛みをもたらす!
女性では妊娠の後期になると、胎児の頭が徐々に骨盤内に入り込み、恥骨を圧迫させたり、出産時に恥骨結合部が緩んだりずれてしまうことがあります。
また、男性もスポーツ中の負荷や怪我による骨折などが原因になる場合があります。
それ以外にも、足の組み方が常に同じであったり、左右どちらかに傾いて座っていたり、歩き方によっても骨盤がゆがむ可能性があります。
このような骨盤のゆがみが原因となり、恥骨部に無理な負荷がかかると太ももの辺りまでチクチクとした痛みがあらわれたり、違和感や張ったような感覚が出てきます。
また、何らかの感染が恥骨部に及び、恥骨結合炎をおこしてしまうこともあります。
その場合、恥骨部に負荷がかかるときだけでなく、圧迫しても痛みを感じるようになり、その痛みに耐えながら歩くため変な歩き方になったり、痛みのために動くことができなくなることもあるのです。
ゆがみを治す骨盤矯正とは?
骨盤は、周囲の筋肉や腱などに支えられているため、簡単にゆがむことはありません。しかし、だからこそみてもわからない程度のわずかなゆがみであっても、恥骨結合の緩みや腰痛などの症状があらわれることがあるのです。
そのような症状をおこさないためには、まずは骨盤に負担をかけている癖を治すことが大切です。
特に、無意識にしてしまう足組を左右交互にしたり、立っている状態を鏡でみて左右の体重のかけ方を確認したり、靴底の減りなどから全体的に同じように減っておらず、部分的に多く削れていないかを確認することにより、歩き方の偏りを知ることができます。
また、骨盤周囲の強ばった筋肉をほぐしたり、弱い筋肉を鍛えることも骨盤のゆがみ対策になります。
自宅でできる骨盤矯正のストレッチなども多く紹介されていますが、骨盤のゆがみといっても、左右にねじれているもの、左右の高さが違うもの、骨盤が開いているものといったような違いがあります。
そのため、はじめは整骨院やサロンなどで実際のゆがみがどの程度なのかをみてもらい、必要な骨盤矯正方法をおこなうことをおすすめします。
痛みや炎症があるときの治療法
基本的には、痛みが強い場合には鎮痛剤を使いながら自然に症状が治まるのを待つことになります。
妊娠、出産に伴う痛みの場合は、骨盤を補強するベルトやクッションを使うと痛みが和らぐ場合があります。
骨折などの場合も同様に、安静にしながら対処療法をおこなって様子をみることになります。
しかし、恥骨結合に炎症がおきてしまっている場合は、ステロイド剤などの薬を使って炎症を鎮め、症状をみながら恥骨周囲、骨盤を強化するリハビリを取り入れます。
恥骨の痛みは、ほとんどの場合がこのような治療となります。
歩行ができなくなるような障害が残ることはありませんが、痛みが長期間続いたり、骨折の状態によっては手術をおこなう場合もあります。
まとめ
恥骨が痛い原因は骨盤の「ゆがみ」にある!!
恥骨は身体のどの部分?
骨盤のゆがみが痛みをもたらす!
ゆがみを治す骨盤矯正とは?
痛みや炎症があるときの治療法