卵巣機能低下症 という病気をご存知でしょうか。最近、若い女性に増えているこの病気は、更年期障害のような体調不良の症状が見られることから、正式な病名ではないですが、若年性更年期障害と呼ばれることもあります。
放置しておくと、体調の悪化や不妊の原因にもなりますので、あてはまる症状を感じたら、一度、病院やクリニックで医師に相談することをおすすめします。
卵巣機能低下症が気になるとき
卵巣機能低下症とは
卵巣機能低下症とは、若いのに卵巣の機能が低下する病気です。早発卵巣不全と呼ばれることもあり、早い人では43歳未満で閉経することもあります。
このような場合は、早期閉経と呼ばれ、卵巣のなかに卵胞がない状態になっています。まだ卵巣のなかに卵胞があり排卵誘発が可能な場合の状態は、ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群と呼ばれており、治療によっては妊娠が可能になります。
具体的な症状
卵巣機能低下症の症状はいくつかありますが、月経周期が長くなったり短くなったりと乱れてきて、不規則になってくることが特徴です。
35歳~40歳で排卵がなくなってしまう場合は、稀発(きはつ)月経と言われる月経周期が長くなっていく状態から始まり、その時には排卵しなくなっていることが多くみられます。この時期に基礎体温を計ってみると、低温一相性となっており、排卵していないことがわかります。
また、35歳よりも若くで閉経してしまうこともあり、原因は様々ですが、妊娠適齢期の女性にとっては、重大な悩みとなります。
若年性更年期障害とも呼ばれることから、めまい、のぼせ、イライラ、耳鳴り、肩こり、頭痛、疲労しやすいなどの様々な症状が現れます。これらの症状により、精神的につらくなり、うつ病のような症状が現れることもあります。
原因にはどのようなものがあるか
卵巣機能低下症の原因は、はっきりと解明はできていませんが、先天的な卵巣の発育不全や形成不全、脳下垂体や甲状腺の病気、自己免疫性疾患などを持っている人に多く見られる傾向があります。
また、卵巣やその周辺の疾患で受けた手術、ガン治療のために抗ガン剤や放射線治療をし場合などでも卵巣機能低下症がおきることがあります。何らかの病気の治療のために飲んだ薬の副作用が原因となる場合もまれにあるので注意が必要です。
さらに、喫煙、過激なダイエットによる痩せ過ぎ、肥満、拒食症、過食症などが原因となる場合も多く見られます。
ストレスの多い現代社会において、女性は精神的なストレスを感じることが多いため、それが脳の視床下部に影響し、自律神経の乱れにつながることで自律神経が乱れ、月経不順から卵巣機能低下症を招くこともあります。
具体的な治療方法
自分が、卵巣機能低下症かもしれないと感じる症状があるときは、まずは、医師に相談することが大切です。病院やクリニックでは、女性ホルモンの値が低下していないかどうかの検査、子宮内膜組織検査、頸管粘液検査、LH-RH負荷試験などの検査を行います。
卵巣機能低下症の治療方法はいくつかありますが、まずはきちんと、基礎体温を計るようにし、自分の月経や排卵の状態を確認することが重要です。基礎体温表は定期的に医師に見てもらうようにしましょう。
すでに無月経や、排卵していないとわかっている場合は、低用量ピル、貼るタイプの女性ホルモン、エストロゲンの錠剤などで、女性ホルモンを補充して治療していきます。
妊娠適齢期の人で、早く妊娠を希望している場合は、排卵誘発剤を使用して治療します。
また、漢方薬による治療もあり、桂枝ぶくりょう丸、加味逍遥散、当帰芍薬散、温経湯、などの漢方薬が使用されているようです。
卵巣機能低下症は、症状が更年期障害と似ているため、女性ホルモンを補うことで辛い症状が治まっていきますが、漢方薬で症状が改善する人もいますし、併用することで効果がさらに増すこともありますので、医師とよく相談して処方してもらいましょう。
気になる症状は放置せず早めの受診を
該当する症状がある場合は、放置しないで、早めに病院やクリニックを受診して医師に相談しましょう。特に、妊娠適齢期世代の人は、卵巣機能低下症が不妊につながることがありますので注意してください。
もし、卵巣機能低下症だとわかったとしても、治療することでほとんどの人が治ると言われていますので、早期に検査を受けることが大切です。
まとめ
卵巣機能低下症が気になるとき
卵巣機能低下症とは
具体的な症状
原因はどのようなものがあるか
具体的な治療方法
気になる症状は放置せず早めの受診を