一般的に「がん」というと、ある程度年をとってからの病気と思いがちです。しかし、胃がんの中には20代でかかるものもあるということをご存じですか?若いうちにかかるがんは進行が早く、気づいたときにはかなり広がっているということもあります。
今回は 20代 でもかかりうる 胃がん についてまとめました。
意外!20代でも胃がんにかかる!
20代にも多いスキルス胃がん
胃がんにはたくさんの種類があります。全種類をまとめて集計すると、かかりやすい年代は40代後半といわれています。しかし、「スキルス胃がん」と言われるものは20代~30代でも、かかる可能性が十分あります。
スキルス胃がんにかかる患者さんは、男女比2:3と言われており、やや女性のほうがかかりやすい病気です。女性の方がスキルス胃がんの発症年齢が低いというデータもあり、若い女性でも安心できないがんの一種と言えるでしょう。
しかもがんは一般的に、年齢が若いほど進みやすい傾向があります。これは、高齢の方に比べて細胞分裂が活発なためです。正常な細胞ですら細胞分裂が活発なので、癌細胞のように制御のきかなくなった細胞はなおのこと、ものすごい速度で増殖してしまうのです。
スキルス胃がんとは?
スキルス、という単語は「硬い」という意味を指しています。
スキルス胃がんは、癌細胞がかたまりを作るのではなく、胃壁をしみわたるように広がっていく癌です。胃の表面の粘膜にはあまり異常をきたさないので、症状がほとんどありません。しかし癌細胞は気づかないうちに胃全体に広がって、胃がガチガチに硬くなってしまうのです。
胃の粘膜にぼこっと腫瘤を作るタイプの胃がんは、胃カメラで早期発見しやすいがんです。しかし、スキルス胃がんは、かなり進行するまで胃カメラで異常がみられないことも多いため、早期発見の難しいがんと言われています。
どんな検査をする?
バリウムを飲んで行う胃のX線造影検査(胃透視)や上部消化管内視鏡(胃カメラ)を行います。しかし、胃の表面に病変が出てくるわけではないので、初期の病変を見つけるのは容易ではありません。
かなり進行したものについては胃が変形するため診断しやすいですが、この時にはいわゆる「手遅れ」であることがほとんどです。
胃カメラの途中で、その部分を生検(一部を小さく切り取ること)をします。とった部分を顕微鏡で詳しく見る検査を行い、診断が確定します。
20代~30代の若年者はなかなか胃透視や胃カメラを受けることがないかもしれません。しかし、スキルス胃がんは20代でも発症し、進行が早くて命にかかわることを考えると、なるだけ検査は受けておいたほうがいいと考えられます。
どんな治療をする?
他のタイプの胃がんと同様に、手術や抗がん剤の治療をします。
手術は、胃を切除しますが、切除する割合については進行具合によります。しかし、スキルス胃がんは発見された時点で胃以外の臓器にも播種していることが多いがんです。播種とは、癌を霧吹きで撒いたかのようにたくさんの場所に小さいがんが発生することです。
播種病変はCTなどの画像検査ではわかりにくく、手術で開腹した際に初めて見つけられることもあります。あまりにも播種がひどい場合は手術しない場合もあります。
抗がん剤は、TS-1というカプセルの内服と、シスプラチンという点滴を行います。
かかった有名人は?
最近では、雨上がり決死隊の宮迫博之さんや、フリーアナウンサーの黒木奈々さんがかかりました。黒木奈々さんは20代ではありませんが、32歳の若さでこの世を去られています。
また、長野オリンピック男子モーグル代表が決まっていた森徹さんも、長野オリンピックがあった1998年25歳で亡くなりました。
もう20年以上前のことになりますが、逸見政孝さんが会見で病気を告白し、その後亡くなったことは当時とてもセンセーショナルなことで、覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんね。
まとめ
意外!20代でも胃がんにかかる!
20代にも多いスキルス胃がん
スキルス胃がんとは?
どんな検査をする?
どんな治療をする?
かかった有名人は?