バセドー氏病 とは、甲状腺の働きが異常に促進されてしまい、甲状腺ホルモンが過剰になるために新陳代謝が過剰に行なわれることから現れる様々な症状を言います。
甲状腺の腫れや、血中の甲状腺ホルモン量を調べることで検査が可能であり、投薬による治療によって症状を改善することができます。
女性に多いバセドー氏病。どんな病気?治療法は?
バセドー氏病とは?
バセドー氏病とは自己免疫疾患の1つであり、甲状腺を異常に刺激する抗体が過剰につくられることが原因となって起こります。これにより、甲状腺でのホルモン生成が過剰となり、甲状腺の慢性的な腫れ、動機や息切れ、体重減少、手足の震えといった様々な症状を起こします。
特徴的な症状として、眼球が突出するというものがありますが、これは全ての人に起こるものではなく、たいていはそれ以外の症状がほとんどであるため、疑ってかからなければ見つからないことも多い疾患です。
患者の5人中4人までが女性であり、更年期障害と間違われることも多くあります。ただし、更年期障害が40代、50代と増えて行くのに対して、バセドー氏病の発症は30代がピークです。
放っておくとどうなるの?
バセドー氏病を放っておくと、様々な合併症を引き起こすことがあります。例えば、甲状腺中毒性ミオパチーと呼ばれるものや、甲状腺クリーゼなどです。
前者では、甲状腺ホルモンが筋肉を刺激することによって起きる、脱力感やけいれん、筋肉痛や疲労感が特徴です。また、重力筋無力症や筋ジストロフィー、麻痺などを併発します。
甲状腺クリーゼでは、重度の感染症など、体にとって大きなストレスとなることが引き金となり、急激な高熱、下痢、多汗、嘔吐、頻脈、心不全などの全身症状、循環器・消化器症状などに見舞われます。ショック状態に陥り、致命的となることもあります。
しかし、これらの症状は、バセドー氏病が重篤化しなければ、ほとんど起きないので、疑わしいことがあれば、検査を受けましょう。
どのような検査を受けるの?
バセドー氏病は、そうだと疑ってかからなければ発見できない病気です。しかし、検査を受けることで確定診断を行なうことが可能です。
検査は血液検査が中心で、血中の甲状腺ホルモンと甲状腺を刺激する抗体の量を測定した際、甲状腺ホルモンが多く、甲状腺を刺激する抗体の量が少なければ、バセドー氏病だと言えます。
他にも、甲状腺の腫れ具合を調べるためのエコーの検査や、甲状腺の働きを見るために放射性ヨードを取り込ませる検査を行なうこともあります。
1つの検査では確実な結果が出ない事もあるため、複数の検査を組み合わせて診断を下します。また、新陳代謝が過剰になることで心臓に負担がかかり、心疾患を伴う事が多い事から心電図を測定することもあります。
治療法は?
バセドー氏病の治療法はその進行段階によって変わります。初期段階や甲状腺の腫れが少ない場合には薬による治療を行ないます。主に甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬が用いられます。
この薬は経口摂取によるものであるため、通院で治療を行なうことができますが、長く飲み続けなければならない場合も多くあります。病気の進んでいたり、薬に対し副作用が出てしまったり、甲状腺の腫れが大きかったりする場合には手術で肥大した部分を取り除きます。
ほとんどの場合に、術後には薬を飲む必要がなく、はやく治ります。また、手術後に再発した人や薬も手術も適さない場合には、放射性ヨードを使ったアイソトープ治療もあります。通院での治療が可能ですが、効果の個人差が大きいという部分もあります。
進行状態や体質、ライフスタイルによって可能な治療法は変わってきますが、きちんと治療することによって症状を緩和し、薬などの治療が必要ない状態にまで持って行く事が可能です。疑わしい症状を感じ次第、検査をして治療を行ないましょう。
まとめ
女性に多いバセドー氏病。どんな病気?治療法は?
バセドー氏病とは?
放っておくとどうるの?
どのような検査をうけるの?
治療法は?